米国半導体大手による中国市場へのアプローチが、新たな局面を迎えています。最新の報道とアナリストの分析に基づき、エヌビディア(NVDA)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、そして中国テック大手のアリババ・グループ(BABA)の動きから読み取れる「3つの重要な示唆」について考察します。
1. エヌビディアの「供給力」と「コア回帰」への自信
今回明らかになった事実情報の中で最も注目すべき点は、エヌビディアの供給能力の強さです。同社は2月中旬までに最大8万個の「H200」チップを中国へ出荷する計画ですが、同時に「米国の顧客への供給能力には影響しない」と明言しています。
これまでAI半導体は供給不足が懸念されてきましたが、このコメントは、エヌビディアが主要市場である米国の需要を完全に満たした上で、さらに中国向けの余剰能力を確保できるほど生産体制が成熟していることを示唆しています。
また、ジ・インフォメーションが報じた「アマゾン・ドット・コム(AMZN)のAWSとの競争から撤退し、クラウドチームを再編した」という動きも重要です。これは、クラウドサービスという競争の激しい分野で消耗するのではなく、圧倒的なシェアを持つ「チップ製造」という本業にリソースを集中させる戦略的撤退と捉えることができます。この「選択と集中」は、同社の収益性をより強固なものにすると考えられます。
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2. AMDが掴んだ「実需」という確かな一歩
一方、AMDにとっては、アリババによる「MI308」チップ5万個の購入計画が大きな転換点となりそうです。
「MI308」は中国の輸出規制に対応したダウングレード版ですが、アリババという巨大テック企業がまとまった数量を採用した事実は、AMDの製品がエヌビディアの代替として実用レベルにあるという強力な証明になります。アリババの株価が2025年に約80%上昇し、AIリーダーとしての地位を固めている背景には、こうしたチップの確保が計算に入っていると推測されます。
*過去記事はこちら AMD
3. 数値で見るポテンシャルの格差と機会
レイモンド・ジェームズのアナリストによる試算は、両社の立ち位置の違いを浮き彫りにしています。
エヌビディア:中国売上による収益上振れ予測は70億〜125億ドル
AMD:中国売上による収益上振れ予測は5億〜8億ドル
金額ベースではエヌビディアが圧倒的であり、EPS(一株当たり利益)への寄与もエヌビディアが最大30セント、AMDが最大20セントと予測されています。しかし、投資家としての視点では、AMDが中国市場において「ゼロ」ではなく「数億ドル規模」の収益源を確立しつつある点(アップサイドの出現)を評価すべき点と言えます。
結論:規制リスクを乗り越えた先の収益
今回のニュースは、米国の輸出規制というハードルが存在する中でも、両社が適合製品を投入することで、巨大な中国需要を確実に取り込み始めていることを示しています。
特にエヌビディアにとっては、米国供給への懸念なしに中国市場を開拓できるという「供給の余裕」が確認できたことが、今後の株価形成においてポジティブな材料となる可能性があります。市場はこれに反応し、関連銘柄は堅調な動きを見せています。
情報ソース: Barron’s: “ Alibaba Shows China May Be the Next Frontier for Nvidia and AMD” (By Jack Denton and Tae Kim, Dec. 23, 2025)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。
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