AMDが第3四半期決算で予想超え、それでも株価が下落した理由

  • 2025年11月5日
  • 2025年11月5日
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アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は11月4日に2025年第3四半期の決算を発表し、売上・利益ともに市場予想を上回る結果となりました。しかし、株価は時間外取引で約3%下落しています。

売上・利益ともに予想を上回る好決算

AMDの第3四半期の調整後1株当たり利益は1.20ドルで、アナリスト予想の1.17ドルを上回りました。売上は92億5,000万ドルとなり、こちらも市場予想の87億6,000万ドルを上回りました。第4四半期については、売上の中央値を96億ドルとする見通しを示し、アナリスト予想(92億1,000万ドル)を上回るガイダンスを提示しています。

リサ・スーCEOは「第3四半期は記録的な業績を達成し、第4四半期の見通しも堅調。当社のコンピューティング事業とAIデータセンター事業が急速に拡大しており、成長の新たな段階に入った」とコメントしました。

AIデータセンター事業が成長を牽引

AMDの成長を支えているのが、データセンター向けのAI関連製品です。スーCEOは決算説明会で「多くの顧客が今後数四半期でCPUの導入を大幅に拡大し、AI需要を支える準備を進めている」と述べました。また、AI事業の年間売上は2027年までに数百億ドル規模に達する見通しであることを明らかにしています。

インテルとAMDはどちらもx86アーキテクチャを採用し、PCやサーバーの中核となるCPUを製造していますが、AMDはAI時代に向けたGPU(グラフィックス処理装置)とデータセンター向けソリューションに重点を置いています。

オープンAIとの長期供給契約を発表

さらにAMDは10月、オープンAIとの長期契約を締結したことを発表しました。この契約により、オープンAIはAIインフラの構築においてAMD製GPUを採用します。具体的には、2026年後半からラックスケールのMI450 GPUサーバーを1ギガワット規模で導入し、最終的に6ギガワットまで拡大する計画です。

オープンAIはChatGPTや企業向けAIモデル、動画生成アプリ「Sora」などを展開しており、AI分野の最前線を走る企業の一つです。今回の提携により、AMDはAIインフラ市場でエヌビディア(NVDA)と直接競合する立場を強めています。

株価は下落も、中長期成長への期待続く

好決算にもかかわらず、AMDの株価は時間外取引で約3%下落しました。短期的な利益確定売りが出たとみられますが、AIデータセンター需要の拡大やオープンAIとの協業など、成長ドライバーは明確です。今後数年にわたり、AMDはAI時代の中核プレーヤーとして存在感を高めていく可能性があります。

*過去記事はこちら  AMD

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