米ChatGPT開発企業であるオープンAIの企業価値が、最新の株式売却取引を通じて5000億ドルに達したと報じられました。これは、エネルギー大手エクソンモービルに匹敵する評価額であり、AIインフラ市場の急成長を象徴する出来事です。
今回の評価は、既存株主であるソフトバンクやUAEのMGXが、オープンAI従業員から66億ドル相当の株式を買い取った取引によるものです。資金調達ではなく流通株式の取引であるものの、将来の資金調達やIPOへの期待を高める材料となっています。
巨額契約で恩恵を受ける企業たち
オープンAIはインフラ投資を積極的に進めており、クラウド・AI関連の複数企業との契約が明らかになっています。今後のAI投資トレンドにおいて、以下の企業が間接的あるいは直接的な恩恵を受ける可能性があるとされています。
オラクル(ORCL)は3000億ドル契約
オープンAIは、今後5年間で最大3000億ドル規模のクラウド契約をオラクルと締結しています。クラウドコンピューティング基盤としての需要が高まり、同社の成長ドライバーになると期待されています。
コアウィーブ(CRWV)は最大224億ドルの契約先
AI特化型クラウド企業であるコアウィーブとも、最大224億ドルの契約を締結済みです。これにより、同社はエヌビディアGPUを活用した次世代AIインフラ市場でのプレゼンスを一段と高めています。
ブロードコム(AVGO)に100億ドルのチップ開発案件
報道によれば、ブロードコムはカスタムAIチップの設計においてオープンAIから100億ドル規模のプロジェクトを受注している可能性があります。これにより、同社はAIシリコン分野でのシェア拡大が見込まれています。
エヌビディア(NVDA)も最大1000億ドルの支援
エヌビディアは引き続きオープンAIの最大パートナーの一社であり、最大で1000億ドル規模の支援を行う可能性があるとされています。GPU需要の拡大が同社の収益を押し上げる材料になります。
マイクロソフト(MSFT)は30%の出資権益を保持予定
初期の主要投資家でもあるマイクロソフトは、オープンAIの営利部門において約30%の株式を取得する予定とされ、同社クラウド「Azure」を通じた提携も継続しています。依存度は以前より低下しているものの、連携は依然として重要な戦略的要素です。
ストレージ・メモリ関連企業にも波及
生成AIや推論処理の拡大は、ストレージ需要も押し上げています。ウェスタン・デジタル(WDC)やシーゲイト・テクノロジー(STX)といったHDDメーカーの株価は年初来で3倍近くに上昇し、AI関連投資の恩恵を受ける銘柄として注目されています。
さらに、マイクロン・テクノロジー(MU)もAI向けDRAMやHBM需要の拡大によって成長機会を得ると期待されています。オープンAIはSKハイニックスやサムスン電子と連携しており、高度な半導体の需要が月間90万枚を超えるとも推定されています。
今後の展望
今回の評価額上昇によって、オープンAIのインフラ拡大はより現実味を帯びたものとなり、関連企業の中長期的な成長にもつながる可能性があります。IPOの時期は未定ですが、AIエコシステム全体に対する投資家の関心は今後も高まりそうです。
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