メタ・プラットフォームズ(META)が、アルファベット(GOOGL)のAIモデル「Gemini(ジェミニ)」の活用を通じて、広告配信の最適化を図ろうとしていることが報じられました。米テックメディア「The Information」が関係者の話として伝えた内容によると、メタは自社開発のAIに課題を抱える中、外部の先進モデルを一時的に取り入れる可能性があるとのことです。
メタ内部でのAI開発に苦戦、アルファベットとの連携模索
メタはこれまで自社の生成AI「Llama(ラマ)」シリーズを中心に、広告配信やチャットボットなどへのAI活用を進めてきました。しかし、AI研究チームの体制刷新や研究者の離脱などもあり、短期的な成果が出せていないと報じられています。
そのため、グーグル・クラウドと提携し、Geminiやその軽量版「Gemma(ジェンマ)」などを広告データでファインチューニングし、広告の要約や関連コンテンツの理解といった領域での活用を検討しているとのことです。
広告事業へのGemini導入はメタにとって異例の一手
メタは年間1,600億ドルを超える収益の大半を広告に依存しています。これまで自社のAI技術を軸にした広告最適化を進めてきましたが、外部AIモデルの活用は極めて異例です。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)もこれまで「企業が達成したい目標を提示するだけで、メタが最適な広告表示を担う」というビジョンを語ってきました。
アルファベットのGeminiは、最新の2.5世代モデルがオープンAIのChatGPTと並ぶ性能を持つとされ、今後リリースされるGemini 3にも注目が集まっています。メタによる採用が実現すれば、広告業界におけるAI活用の潮流がさらに進む可能性があります。
すでにグーグル・クラウドとは提携済み、100億ドル規模の契約も
The Informationによれば、メタはすでにグーグル・クラウドと総額100億ドル超、6年間にわたるクラウド利用契約を締結済みです。AIモデルのトレーニングや運用に必要なコンピューティング資源確保の一環であり、今回のGemini活用検討もその延長線上にあると見られます。
まとめ:ラマ強化までの“つなぎ”か、それとも戦略転換か
メタは新設した「Superintelligence Labs(スーパーインテリジェンス・ラボ)」を通じて、ラマの改良にも引き続き注力しています。Gemini活用はあくまで一時的措置となる可能性もありますが、広告という中核ビジネスでのアルファベット依存が現実になれば、AI覇権争いの構図にも影響を与えそうです。
*過去記事 メタ・プラットフォームズ
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