2025年もAI半導体市場は活況を呈していますが、その恩恵を強く受けている銘柄のひとつがブロードコム(AVGO)です。米証券会社マッコーリーは最近発表した最新の調査レポートの中で、ブロードコムの格付けを「アウトパフォーム」とし、目標株価は420ドルと設定しています。この記事では、そのレポート内容を紹介しつつ、ブロードコムに注目が集まる背景を見ていきます。
ASIC市場での独占的ポジション
レポートによると、ブロードコムはアプリケーション固有集積回路(ASIC)市場で約75%のシェアを誇っています。GPU市場ではエヌビディア(NVDA)が主役ですが、今後のAI需要は「推論」や「実運用フェーズ」へと移行し、より効率的でカスタマイズ可能なASICの重要性が高まるとされています。
ASICは設計期間や初期投資こそ大きいものの、「電力効率」「システム全体の最適化」「ラック単位での統合性」といった点で非常に優れており、マッコーリーは2028年までに市場規模が800億ドル超に成長すると予測しています。
ソフトウェア事業の拡大
2023年に完了したヴイエムウェア(VMware)の買収も、同社の評価を押し上げる要因となっています。この買収により、インフラ向けソフトウェアが1株あたり利益の約50%を占めるようになり、同部門の粗利益率は驚異の93%に達しているとのことです。
加えて、スマートフォン部品や産業用チップ、ブロードバンド関連など、非AI事業も回復傾向にあると評価されています。
オープンAIとの関係と強気なアナリスト評価
今月の決算発表で、新たな顧客としてオープンAIの名前が登場したことも、投資家心理を後押ししました。報道によれば、オープンAIは約100億ドル相当の注文をブロードコムに出しているとされます。
このような背景もあり、アナリストからの評価も高まっています。例えば、HSBCのアナリストは、今年初めに目標株価を240ドルから400ドルに引き上げたほか、調査会社ファクトセットによると49人のアナリスト中45人が「買い」または同等の評価を付けています。
まとめ:今後の注目ポイント
・AI市場での成長がASIC需要を加速
・ソフトウェア部門が収益構造を安定化
・オープンAIなど新たな大口顧客との関係強化
・強気なアナリスト評価が株価を支える材料に
現在の株価は365ドル付近ですが、今後数四半期の業績次第では、複数のアナリストが掲げる400ドル超えの目標に向けて動き出す可能性があります。
*過去記事はこちら ブロードコム AVGO
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