エヌビディア株下落、AMD急伸 AIチップ市場で何が起きているのか

AMD

2025年8月13日の米国市場では、エヌビディア(NVDA)の株価が前日比0.83%安の終値となりました。一方、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は5.41%高で取引を終えました。市場では、エヌビディアの次世代AIチップ「ルービン」の開発スケジュールに遅れが生じる可能性や、AMDの新製品による競争激化が注目されています。

次世代チップ「ルービン」遅延懸念とAMDの追い上げ

フボン・リサーチのアナリスト、シャーマン・シャン氏は、ルービンの初期バージョンは6月下旬にテープアウト済みですが、AMDの次世代AIチップ「MI450」に対抗するため設計変更を行っていると指摘しました。市場では2026年第3四半期に量産開始と見込まれていましたが、サプライチェーン情報によれば来年の出荷は限定的となる可能性があり、生産面での課題も浮上しています。

ただし、エヌビディアの広報担当者は「報道は誤りで、ルービンは予定通り進行中」とコメントしています。

AMDのMI450がもたらす競争環境の変化

現在のAIチップ市場ではエヌビディアの「ブラックウェル」シリーズが圧倒的なシェアを握っていますが、AMDのMI400シリーズ(MI450を含む)は同社初のラックスケール72プロセッサAIサーバー製品となり、競争力を高める可能性があります。これによりAIサーバー市場でのシェア争いが激化することが予想されます。

コアウィーブの需要見通しとエヌビディア製品の優位性

AIクラウド企業のコアウィーブ(CRWV)は、8月12日の決算発表で「需要は飽くなきもの」と述べ、今後4四半期にわたりエヌビディアの最新AIサーバー「GB200/GB300 NVL72」が好調に推移すると見込んでいます。コアウィーブはエヌビディア製ハードウェアのみを使用しており、同社はエヌビディアの投資先でもあります。

コアウィーブのマイケル・イントレーターCEOは「市場は構造的に供給不足の状態にあり、これは世界で最も重要なインフラ消費者との関係や議論に基づく見解だ」と説明しました。


このように、エヌビディアは次世代チップの開発進捗に関する懸念が浮上する一方で、AMDの攻勢やAI需要の継続的な高まりに直面しています。市場参加者にとっては、AIチップ分野での競争構造の変化を見極めることが重要となります。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA  AMD

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