2025年7月31日付の米メディア「The Information」によると、メタ・プラットフォームズ(META)は、動画生成AI技術を持つスタートアップ企業との提携や買収を積極的に検討していることが明らかになりました。
Pikaとの提携交渉が進行中
記事によると、メタはスタンフォード大学出身の研究者2人が立ち上げたスタートアップ「Pika」との間で、提携や買収を含む交渉を進めているとのことです。Pikaは、リアルな動画を生成するAIを開発しており、これまでに約1億3500万ドルの資金を調達しています。
また、同記事によれば、メタはすでにPikaの出資元のひとつであるNFDG(ナット・フリードマン氏とダニエル・グロス氏が運営するVCファンド)の部分的な買収を進めており、その影響で間接的にPikaの持分も取得する可能性があるとしています。
HiggsfieldやRunwayとの交渉は終了
一方で、HiggsfieldやRunwayといった他のAI動画スタートアップとも過去に買収交渉を行っていたことも報じられていますが、これらはすでに終了しています。Higgsfieldはクリエイター向けの画像・動画生成アプリを開発しており、2024年には800万ドルのシード資金を調達した実績があります。
メタのAI戦略と動画分野の重要性
今回の動きは、メタが進めるAI戦略の一環とみられます。同社は最近、Scale AIのCEOアレクサンドル・ワン氏をAI責任者に迎え、音声AI企業PlayAIの買収も実施しています。さらに、GitHub元CEOのナット・フリードマン氏や、Safe Superintelligence元CEOのダニエル・グロス氏の参加により、Meta Superintelligence Labsの体制を強化しています。
マーク・ザッカーバーグCEOは、将来的にAIが労働の多くを代替することで人々の余暇が増えると想定しており、メタがその時間にエンターテインメントを提供する企業になることを目指しています。動画生成AIはその構想の中心に位置づけられています。
今後の展開に注目
すでにメタは「Meta AI」やInstagram向けにAI編集機能を導入しており、初期段階では好調な反応を得ているようです。VRコンテンツやスマートグラスとの連携にも応用が期待されており、今後のスタートアップとの提携や買収の動向が注目されます。
メタのAI動画領域への動きは、エンターテインメントやソーシャルメディアの未来を大きく変える可能性があります。引き続き注視していきたい分野です。
*過去記事 メタ・プラットフォームズ