2025年7月30日、米テクノロジー大手メタ・プラットフォームズ(META)の第2四半期決算発表を前に、投資家やアナリストの関心が集まっています。売上や利益の堅調な伸びが期待される一方で、AI投資の急拡大や中国系広告主の広告費減少がリスク要因として浮上しています。
EPSは前年比13.9%増予想、売上も15%増加見込み
市場予想によれば、メタは2025年第2四半期に1株当たり利益(EPS)5.88ドル、売上448億ドルを記録する見通しです。これは前年同期のEPS5.16ドル、売上390億ドルから大幅な増加となります。
メタの売上の大部分(98%)はFacebookやInstagramといった自社アプリを通じた広告収入によるものであり、ユーザー数、広告単価、配信広告数の3要素が成長のカギを握っています。
AIへの巨額投資と人材争奪がコスト増を招く
2025年後半だけで550億ドルものAIデータセンター建設に充てる計画が明らかになっており、これに伴う減価償却費の増加も懸念されています。さらに、アルファベット(GOOGL)やオープンAIなどから高給で研究者を引き抜くなど、AI人材への投資も加速しています。
マーク・ザッカーバーグCEOは「最も知的な人間と同等の作業をこなせるAIの開発こそが会社の将来を決める」と語っており、今後の決算説明会ではその戦略的意図が改めて説明される可能性があります。
中国系広告主の減速が短期的リスクに
メタのアプリ自体は中国では利用されていませんが、2024年にはTemuやSheinといった中国系格安通販業者が広告出稿の約11%を占めていました。しかし、米中貿易摩擦の影響で両社の米国広告費は2025年第2四半期にそれぞれ87%、69%減少。アプリのダウンロード数もTemuが前年比77%減、Sheinが51%減と急落しています。
この広告出稿減少により、メタの広告価格と売上成長にも影響が及ぶ可能性があります。ただし、アジア以外の格安小売業者の広告費増加がその一部を相殺する可能性もあると見られています。
投資家はAIの成長性と広告依存のバランスに注目
メタはAIによって広告技術を強化する一方で、同分野への過剰な投資がコスト圧力となっている現実もあります。今後の決算発表では、こうした構造的な課題と成長戦略のバランスが問われることになりそうです。
*過去記事 メタ・プラットフォームズ