IBMは今が買い時?オッペンハイマーのアナリストが目標株価320ドルを設定

  • 2025年2月12日
  • 2025年2月12日
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アメリカの老舗テクノロジー企業、インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)の株価が注目を集めています。オッペンハイマーのアナリスト、パラマー・シン氏は、IBMの成長性を高く評価し、同社の株式に「アウトパフォーム」の評価を付与しました。目標株価は320ドルとされ、現在の株価から約28%の上昇余地があるとしています。

2月11日の米国市場では、IBMの株価は2.19%上昇し254.73ドルとなりました。IBMの将来性に期待が高まるなか、投資家は今後の動向を注視しています。

IBMは「あなたのお父さんのIBMではない」

シン氏は「あなたのお父さんのIBMではない」と題したリサーチノートの中で、IBMが単なるハードウェア企業ではなく、世界第3位のインフラ・ソフトウェア・ベンダーであることを強調しました。現在、この分野ではマイクロソフト(MSFT)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)に次ぐポジションを確立しています。

IBMは、近年ソフトウェア事業への転換を加速しており、その中心となっているのがレッドハットです。レッドハットはオープンソースのソフトウェアを提供する企業で、2019年にIBMが買収しました。現在、レッドハットのソフトウェアはAI(人工知能)ワークロードの実行・管理を支援し、IBMの売上成長の主要な原動力となっています。

2桁の売上成長を期待

シン氏はIBMについて、2桁の売上成長が見込めるとの見解を示しています。特に、IBMのソフトウェア事業は順調に成長しており、現在同社の売上の約45%を占めるまでに拡大しました。この成長の多くはレッドハットによる貢献です。

「IBMはソフトウェア中心企業への転換に成功しており、市場のコンセンサス予想よりも高い売上と利益率を達成すると見ています」とシン氏は述べています。さらに、IBMの変革が十分に評価されていないとし、現在の株価は過小評価されている可能性があるとも指摘しています。

AI投資の加速がIBMに追い風

企業は生産性向上とコスト削減を目的に、AIソフトウェアへの投資を拡大しています。その結果、サービスナウ(NOW)、セールスフォース(CRM)、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)などのAI関連企業の株価は過去12カ月で急騰しました。

ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏は、「AI市場の拡大に伴い、オラクル(ORCL)、IBM、イノデータ(INOD)、スノーフレイク(SNOW)、モンゴDB(MDB)、エラスティック(ESTC)、ペガシステムズ(PEGA)などの企業も有利な立場にある」と述べています。

IBMの今後の見通し

IBMは、AI技術を活用したソフトウェア・ソリューションを提供することで、市場での競争力を強化しています。現在、同社はクラウドコンピューティングやAI分野において、着実な成長を遂げている状況です。

今後の焦点は、AI関連の売上がどこまで拡大するかです。IBMの強みは、レッドハットを中心としたソフトウェア事業の成長にあり、この分野での売上が加速すれば、株価のさらなる上昇につながる可能性があります。

オッペンハイマーの目標株価320ドルが実現するかどうかは、今後の業績次第ですが、現在のIBMの変革と成長戦略を考えると、投資家にとって魅力的な銘柄の一つとなり得ます。

*過去記事はこちら IBM

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