人工知能(AI)関連銘柄への投資を検討している投資家の中には、「乗り遅れてしまったのではないか」と心配される方もいるかもしれません。しかし、心配は無用です。2025年はより選択的な投資アプローチが重要とされています。
モーニングスターの米国市場チーフ・ストラテジスト、デビッド・セケラ氏は、「これからはAI関連銘柄において、選別する力が重要になる」と述べています。AIに関連する設備投資は今後も増加が予想されますが、これまでのような急激な成長ペースが続く可能性は低いと考えられています。
エヌビディアやテスラへの投資が分岐点に
エヌビディア(NVDA)は過去2年間で大きな成長を遂げ、株価も大幅に上昇しましたが、モーニングスターは現在、同社の株価が「フェアバリュー(適正価格)」に近い水準で取引されていると見ています。また、テスラ(TSLA)の株価は適正価格の2倍以上の水準にあると考えられており、投資家にとって慎重な判断が求められる段階に来ています。
狙い目は割安なAI関連銘柄
モーニングスターが注目しているのは、これまで市場であまり評価されていないAI関連銘柄です。例えば、ソフトウェア開発企業のマイクロソフト(MSFT)、オラクル(ORCL)、アルファベット(GOOGL)といった企業は、公正価値よりも割安な水準で取引されているとされています。これらの企業は、AIの急成長の恩恵を受けつつも、まだ過小評価されている部分があると見られています。
さらに、半導体メーカーであるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、過去1年間で株価が30%下落したものの、長期的にはエヌビディアに次ぐ重要なプレイヤーとして注目されています。
ビジネス・コンサルタント企業にも注目
AIの恩恵を受ける可能性があるのは、テクノロジー企業だけではありません。S&P500に上場しているコグニザント・テクノロジー・ソリューションズ(CTSH)は、公正価値に対して約18%割安で取引されています。同社はAIを活用して生産性や効率性を向上させ、売上を拡大する戦略を採用しています。
AI関連投資の新たな局面
デビッド・セケラ氏は、「AI関連銘柄の中にはすでにその価値を織り込んでいるものもあるが、依然として過小評価されている銘柄が存在する」と述べています。投資家にとって重要なのは、この分野でまだ発見されていない「割安なポケット」を見つけることだと同氏は主張しています。
2025年のAI関連銘柄への投資は、単なるトレンド追随ではなく、慎重な選別と長期的な視点が求められる時代に突入しています。