2023年と2024年にテクノロジー株が大きく上昇した後、多くのアナリストは2025年も引き続き好調な年になると予想しています。その中でも、特にインターネット関連株に注目が集まっています。シーポート・グローバルのアーロン・ケスラー氏は、電子商取引、広告、クラウド分野の成長が業界全体を押し上げる要因になると強調しています。
安定したマクロ経済の影響と懸念事項
ケスラー氏は2025年について、「概ね安定した」マクロ経済の背景を予測しています。インフレ率の低下は成長を後押しする要因となりますが、金利上昇、関税の可能性、そして地政学的リスクが依然として課題として残っています。また、米ドル高が国際事業を展開する企業に短期的な逆風となることを指摘しています。
それでも、多くの業界で売上が1桁台後半から2桁台の成長を遂げると予測されています。
クラウドサービスとAIの進化
クラウドサービスの分野では、人工知能(AI)の進化がさらなる成長を後押ししています。2024年に19%成長したこの分野は、2025年には21.5%成長すると見込まれています。一方で、オンライン広告の成長率は昨年よりやや減速しつつも、世界全体では11%増加することが予測されています。大手企業は引き続きこの恩恵を受ける状況です。
電子商取引の成長余地
米国の売上全体に占める電子商取引(Eコマース)の割合は約16%とされ、依然として成長余地が大きいとされています。ケスラー氏は2025年の成長率を約7%と見込んでおり、これに伴いオンライン旅行予約も堅調に推移するとの見方を示しています。
主要企業の分析
アルファベット(GOOGL)
Googleの親会社であるアルファベットは、AI技術の活用を通じてクラウド事業の安定した成長を実現しています。また、もしTikTokが米国で禁止された場合、YouTubeが主な受益者になる可能性があります。同社は為替の影響を受けるものの、為替ヘッジの取り組みや費用管理の厳格さが評価されています。
*過去記事 アルファベット GOOGL
メタ・プラットフォームズ(META)
Facebookの親会社であるメタも、TikTok禁止の恩恵を受ける可能性があると考えられています。同社の広告事業は成長率が減速する見通しですが、引き続き堅調に推移すると予想されています。また、AIを活用してパーソナライズされた広告を作成し、エンゲージメントを向上させる取り組みが評価されています。
*過去記事 メタ・プラットフォームズ
アマゾン(AMZN)
アマゾンは、電子商取引の成長と広告事業の拡大から恩恵を受けています。さらに、クラウド事業であるアマゾン・ウェブ・サービスが引き続き10%台後半の成長を遂げる見込みです。同社は費用管理に優れていますが、今後1年間の資本支出が懸念材料として挙げられています。
*過去記事 アマゾン AMZN
ウーバー・テクノロジーズ(UBER)
ウーバー・テクノロジーズは、自動運転技術に対する懸念が後退したことを背景に、将来的な成長機会を提供すると評価されています。同社は大規模な顧客基盤を持つ重要なパートナーであり、自動運転車の着実な普及が期待されています。
*過去記事「投資家必見!ウルフリサーチが推す2025年の米国インターネット関連株TOP4」
テクノロジー株全体の見通し
2025年初頭、テクノロジー株はやや不安定なスタートを切りましたが、多くの専門家はAIや量子コンピューティングの進化が生産性向上を促進し、業界全体をさらに成長させると見ています。長期的な視点では、これらの技術革新が多くの企業にとって競争力を強化する重要な要素となりそうです。
まとめ
2025年は、インターネット関連を中心に成長の見込まれる年です。電子商取引、クラウド、広告などの分野が引き続き市場をけん引し、主要企業の取り組みが投資家にとって魅力的な成長機会を提供すると予想されています。これらの企業や分野への投資を検討することは、長期的なポートフォリオの成長につながる可能性があります。