カリフォルニア州に拠点を置くテクノロジー企業、ブロードコム(AVGO)は、特定用途向け集積回路(ASIC)の製造で知られています。この特別設計のチップは、人工知能(AI)の処理に活用されており、同社はAI関連銘柄として投資家からの注目を集めています。ただし、ブロードコムは純粋なAI企業ではなく、エンタープライズソフトウェアやセキュリティソリューションも提供する多角的な企業です。
2つの事業部門で展開するブロードコムの強み
ブロードコムは、半導体ソリューション部門とインフラストラクチャソフトウェア部門の2つの主要事業部門を通じて事業を展開しています。特に、AIやデータセンター関連市場での強みが際立ち、投資家からの評価を高めています。
最近では、UBSのアナリストであるティモシー・アルクーリ氏が、ブロードコムの株価目標を220ドルから270ドルに引き上げ、同銘柄に「オーバーウェイト」の評価を付与しました。また、モルガン・スタンレーのアナリストであるジョセフ・ムーア氏も、2025年の注目銘柄リストにブロードコムを加え、AIとデータセンター関連銘柄への高いエクスポージャーを維持するよう投資家に提案しました。
ブロードコムの株価の動向
ブロードコムの株価は2024年12月24日現在、239.68ドルに達し、今年に入ってから2倍以上の上昇を記録しています。同社の株価は過去最高値を更新する勢いで推移していますが、常に順調であったわけではありません。
2024年初頭には、株価が乱高下する局面がありました。3月には予想を上回る売上を上げたにもかかわらず投資家の期待を下回る結果となり、株価は急落しました。しかし、6月には1株につき10株の割合で株式分割を実施することを発表した後、株価は過去最高値を更新しました。8月には、エヌビディアの決算発表を前にセクター全体で売りが出た影響で株価が一時下落しました。
第4四半期の好調な業績と1兆ドルの時価総額達成
12月12日、ブロードコムは好調な第4四半期の決算を発表し、強気の業績見通しも明らかにしました。この発表により、13日には同社の時価総額が1兆ドルを超えました。ブロードコムは米国で時価総額第8位、世界で第9位の公開企業となり、1兆ドル企業クラブの仲間入りを果たしました。
配当増加で株主への利益還元
ブロードコムは株主への利益還元も積極的に行っています。株主は、増配という形で新年のプレゼントを受け取ることになります。同社は、前回の1株当たり0.53ドルの配当から11%増やし、0.59ドルの四半期配当を12月31日に支払う予定です
今後のブロードコムへの期待
ブロードコムは、AIやデータセンター関連市場への強いエクスポージャーを活用し、さらに成長を続けることが期待されています。同社の多角的な事業展開と堅調な業績は、投資家にとって魅力的な要素となっています。今後の市場動向に注目が集まる中、ブロードコムは引き続き注目すべき銘柄の一つです。
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