ブロードコム(AVGO)の株価は、12月23日の米国市場で5.52%の上昇を記録。終値は232.35ドルでした。この上昇は、ウォール街のアナリストからの強気の評価と目標株価の引き上げを受けたものです。同社が先日の決算報告で提示した2027年の見通しが市場の期待を大きく上回ったことが評価されています。
UBS、ブロードコムの目標株価を270ドルに引き上げ
UBSのアナリストであるティモシー・アルクーリ氏は、ブロードコムの目標株価をこれまでの220ドルから270ドルに引き上げました。同社の株価がすでに以前の目標水準に達していることから、通常であればアナリストは格下げか目標株価の上方修正を行いますが、アルクーリ氏は後者を選択しました。
アルクーリ氏は、「ブロードコムが提供するサービス対象市場を再確認した上で、カスタムコンピューティングおよびAIネットワーキング事業に関する見通しを再評価し、AI関連の売上予測を引き上げることにしました」とコメントしています。
2027年の1株当たり利益(EPS)予測を大幅引き上げ
アルクーリ氏の分析チームは、特に2026年の1株当たり利益(EPS)の予測を20%引き上げ、2027年についてはさらに大胆に40%の上方修正を行いました。
ブロードコムは2027年度のAI関連売上高について、2024年度の122億ドルから600億ドル〜900億ドルの範囲に達すると見込んでおり、市場の予想を上回る持続的な成長が期待されています。
AI関連売上高の見通しが市場の期待を上回る理由
ブロードコムの2027年度におけるAI関連売上高の見通しは、AI移行が想像以上に長期にわたり高成長を維持する可能性を示唆しています。この成長の中心には、カスタムASIC(特定用途向け集積回路)事業があり、ブロードコムはこの分野でより多くの顧客を獲得する可能性があります。
一部のテクノロジー関連の報道では、アップル(AAPL)が独自のAIワークロード用サーバーチップ「Baltra」を開発しており、ブロードコムと提携する可能性があるとされています。これが実現すれば、現在予測されている600億ドル〜900億ドルの市場規模をさらに拡大することが期待されます。
将来の成長への期待と課題
ブロードコムの成長予測は控えめとされる可能性があり、2027年の売上目標は顧客基盤の拡大によりさらに上昇する余地があります。ただし、成長を持続するためには、新規市場での競争や大規模な顧客プロジェクトの確保が重要な課題となる可能性があります。
ブロードコムの株価上昇は、AIネットワーキングやカスタムコンピューティング分野での強固なポジションを示しており、今後の成長の可能性を示唆しています。同社の取り組みがどのように成果を上げるか、引き続き注目されるところです。
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