ブロードコム(AVGO)が1兆ドルクラブ入りを果たしたことが、テクノロジー業界で注目されています。同社は先週の決算発表を受け、株価の急騰によりその地位を確立しました。
現在、ブロードコムはもう一つの特別な集まりである「マグニフィセント・セブン」入りが期待されています。このグループの基準は非公式ですが、ドイツ銀行のストラテジスト、ジム・リード氏は、ブロードコムは規模の面で他のメンバーに急速に近づいていると指摘しています。
ブロードコムとマグニフィセント・セブンの現状
ブロードコムの現在の時価総額は約1兆1000億ドルで、マグニフィセント・セブンの一員であるテスラ(TSLA)の評価額より約4000億ドル低い水準です。しかし、同社の株価は12月に48%上昇し、2024年に入ってから115%もの上昇を記録しました。この成長はエヌビディア(NVDA)の大幅な株価上昇に刺激されたAIチップ市場の勢いを象徴しています。
「マグニフィセント・セブン」はアップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)、マイクロソフト(MSFT)といったテクノロジーの巨人で構成されています。ブロードコムはその一員になるための基盤を確実に築いています。
ブロードコムの第4四半期の好調な売上とAI分野の展望
ブロードコムの第4四半期の売上は堅調で、将来への期待が投資家の注目を集めています。同社はカスタムAIチップとして使用されるASIC(特定用途向け集積回路)の製造において重要な役割を果たしており、AI分野での売上機会が拡大しています。
同社は、2027年までにAI関連のサービス可能な対象市場が600億ドル〜900億ドルに成長すると予測しています。さらに、ブロードコムは2社の新規顧客が次世代AIチップの開発パートナーとして同社を選んだことを発表しました。この2社について、ウィリアム・ブレアのアナリストはアップルとOpenAIである可能性が高いと述べています。これにより、既存の顧客であるアルファベット、メタ・プラットフォームズ、バイトダンス(TikTokの親会社)に加わる形となります。
株価の急騰と課題
ブロードコムの株価は、12月13日に24%急騰し、同社の時価総額は1兆ドルに達しました。その後、16日にはさらに11%上昇しましたが、17曜日には4%下落しました。
一方で、ブロードコムが「マグニフィセント・セブン」の一員となるには、既存のメンバーと肩を並べるためにより長期的な努力が求められます。現在、ウォール街ではアナリストの87%がブロードコムを「買い」と評価しており、依然として強気の姿勢が見られます。ただし、平均的な目標株価は現在の水準から1.7%の下落を示唆しており、最近の株価上昇に応じて調整される可能性があります。
ブロードコムの未来に向けた見通し
ブロードコムは、AI市場での地位をさらに強化し、競争力を高めています。同社の成長は、AI技術やチップ製造における革新によるものと考えられます。「マグニフィセント・セブン」に近づくブロードコムの進化を今後も注視する必要があります。
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