トゥルイスト証券のアナリスト、ユセフ・スクアリ氏が12月17日、2025年に輝くと期待されるインターネット株を4つ取り上げ、発表しています。2024年にテクノロジー株の多くが急成長した一方、いまだ市場全体を下回る銘柄もありますが、AIやeコマースの成長を追い風に、これらの銘柄は今後上昇する可能性があるとスクアリ氏は見ています。
アマゾン(AMZN)
アマゾンの株価は2024年に52%上昇し、ナスダック総合指数の33%上昇を上回る堅調ぶりを示しています。巨大なeコマース企業であるアマゾンは、生成AIへの投資熱の恩恵を受けており、AI技術が今後の成長を後押しすると期待されています。
しかし、アマゾンにとってAI分野の成長は容易ではありません。AI基盤の拡充には多額の資本が必要です。2024年第3四半期、アマゾンの資本支出は226億ドルと前年同期の125億ドルから増加しました。大部分はクラウドコンピューティングプラットフォームであるAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)への投資に充てられ、AI需要に対応する技術インフラを強化しています。
スクアリ氏は、「クラウド需要の回復と、生成AI関連のトレーニングおよび推論ワークロードが3桁成長を続けることで、30%超の利益率を維持しつつ、クラウドおよびAIインフラへの投資も加速する」と述べています。同氏はアマゾンを「買い」と評価し、目標株価を270ドルに設定しています。
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メタ・プラットフォームズ(META)
メタ・プラットフォームズの株価は2024年に75%上昇し、今後も上昇の余地があるとスクアリ氏は見ています。
AIやバーチャルリアリティ(VR)プロジェクトへの期待が株価を押し上げたほか、インスタグラムやワッツアップを含むアプリ群の1日あたりのアクティブユーザー数も増加しています。これは広告収入の増加につながる重要な要素です。
スクアリ氏は、「動画共有サービス『リールズ』では、パーソナライズ機能や広告表示が改善され、収益化が進んでいる」と述べています。また、TikTokの米国市場撤退の可能性もメタの追い風となる可能性があります。同氏はメタを「買い」と評価し、目標株価を700ドルに設定しています。
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シンプレス(CMPR)
シンプレスは、印刷および関連製品の大量カスタマイズに注力しており、ビスタプリントのような起業家精神に富んだビジネスに投資し、展開する企業です。2024年は市場全体を下回り、株価は1.1%下落しましたが、スクアリ氏は2025年に大きな期待を寄せています。
「シンプレスは、数年にわたる技術、ブランド、製品の再構築を終え、今後は製品開発とマーケティングのスピードを加速させ、安定した成長と高い収益性を実現し、オフライン競合から市場シェアを獲得する体制が整っている」と述べています。同氏はシンプレスを「買い」と評価し、目標株価を110ドルに設定しています。
オディティ・テック(ODD)
オディティ・テックは、化粧品分野でオンライン販売を行う企業で、AIを活用して顧客に美容・健康製品を提案しています。IL MakiageやSpoiled Childといったブランドを展開しており、2024年に入り株価は4%上昇しています。
スクアリ氏は、オディティが今後、成長を続けるオンライン美容・健康市場でさらなるシェアを獲得すると予想しています。
「2024年度、オディティの純収益の半分以上はリピート購入によるものであり、経営陣は2025年度のリピート購入比率がさらに高まる見通しを示している」と指摘。これは製品の有効性や成長の予測可能性を示すものです。同氏はオディティを「買い」と評価し、目標株価を60ドルに設定しています。
2025年はAIやeコマース、動画共有サービスの成長を追い風に、多くのインターネット株が上昇することが期待されています。特に、上記4銘柄の動向には引き続き注目が集まります。