高く買ってより高く売る:J.P.モルガンが推奨する3つの独立系発電事業者株

ウォール街の格言「高く買って、より高く売る」は、リスクを取ることを厭わない投資家にとって非常に有効な戦略となります。J.P.モルガンのアナリスト、ジェレミー・トネット氏は、この戦略に従い、すでに今年2倍以上の値上がりを記録しているにも関わらず、さらなる成長が期待できる3つの独立系発電事業者の株式を購入するよう投資家に推奨しています。

トネット氏の分析によれば、製造業の国内回帰や広範な電化、そして電力需要の急増をもたらすデータセンターの発展など、これらの企業には構造的な追い風が吹いているとのことです。

構造的な追い風:AIと電力需要の増加

特に注目されるのは、人工知能(AI)の急速な発展です。AIアプリケーションの実行には、従来のテクノロジーアプリケーションよりも多くの電力が必要です。これに伴い、多くの大手テクノロジー企業が信頼性の高いエネルギー源を求め、特に原子力発電事業者との契約を強化しています。

例えば、GoogleがAIのために原子力発電契約を結んだことは、まさにこのシフトの一例です。

ビストラ— トネット氏の最有力ピック

トネット氏が推奨する3つの企業のうち、最も注目すべきはテキサス州を拠点とするビストラ(VST)です。同社は、ERCOT(テキサス電力信頼性評議会)への強力なエクスポージャー、天然ガス発電や原子力オプションを活用しており、トネット氏はこれを「絶好のポジションにある」と評価しています。

トネット氏は、ビストラの目標株価を178ドルに設定しており、現在の株価水準から約31%の上昇が見込まれます。同社は、過去12か月で317%の株価上昇を記録しており、S&P 500指数内で最も高いパフォーマンスを示しています。
*過去記事「AI革命が後押しするビストラの急騰:公益事業株は新たな投資チャンスか?

タレン・エナジー— 第二のお勧め企業

次に推奨されるのは、タレン・エナジー(TLN)です。トネット氏は、268ドルの目標株価を設定しており、現在の水準から約50%の上昇余地があると見ています。

同社は、アマゾン(AMZN)のクラウド事業AWSとの原子力発電に関する契約を結んでおり、特にPJM発電モデルと呼ばれる安定した収益を確保するモデルが強みです。ピーク時に稼働するガス発電所群を活用して、より安定した利益を生み出しています。

コンステレーション・エナジー— 安定した成長が期待される企業

最後に、メリーランド州を拠点とするコンステレーション・エナジー(CEG)が挙げられます。トネット氏は、目標株価を342ドルに設定しており、現在の水準から約21%の上昇余地があると見込んでいます。

同社は過去12か月で141%の株価上昇を達成しており、S&P 500内で3番目に高いパフォーマンスを記録しています。特に、AIや暗号通貨のエネルギー需要に対応するために、原子力発電の契約が株価の上昇を牽引するだろうとトネット氏は指摘しています。
*過去記事「驚異の株価上昇!コンステレーション・エナジーが注目を集める理由と投資チャンス

まとめ:電力需要の増加を背景に成長する独立系発電事業者

AIや電化のトレンドが進行する中で、信頼性の高いエネルギー供給源としての原子力発電の重要性がますます高まっています。トネット氏が推奨するこれらの企業は、すでに大きな成長を見せているにも関わらず、さらなる株価の上昇が期待できる魅力的な投資先です。

  • ビストラ(VST):強力なガス発電と原子力オプション
  • タレン・エナジー(TLN):PJM発電モデルとAWSとの契約
  • コンステレーション・エナジー(CEG):原子力契約により業界をリード

これらの企業に注目することで、今後の電力需要増加に伴う利益を享受できるチャンスをつかむことができそうです。

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