テクノロジー業界における「マグニフィセント・セブン」として知られる巨大企業群の一角を担うメタ・プラットフォームズ（META）とアルファベット（GOOGL）。両社は、数十億ドル規模の投資を通じて、人工知能（AI）の革新を牽引しています。AIの導入による収益化のタイミングを巡って一部のウォール街アナリストから懸念の声が上がる中、ピボタル・リサーチのアナリスト、ジェフリー・ウロダック氏は、この両銘柄は「今こそ買い時」と高く評価しています。
メタの魅力：AIとVRが牽引する未来
メタ・プラットフォームズ社はFacebookやInstagramといったソーシャルメディアの巨人であるだけでなく、AIを活用した革新でも大きな注目を集めています。特に、同社のAIイニシアチブが広告とソーシャルメディアにおける市場シェアを拡大する可能性があると期待されています。
ウロダック氏の分析によれば、メタのAI技術は広告主向けの「Meta Advantage」を通じて、広告効果の最適化を図っており、今後の収益化が徐々に進むとされています。また、同社の広告主と消費者向けのAI技術は、さらなる成長を見込んでおり、特に広告効果を高めるソリューションとして注目されています。
さらに、メタはVR（仮想現実）分野でも積極的に投資を続けており、9月の「Connect」カンファレンスでは、新型VRヘッドセット「Meta Quest 3S」を発表しました。同時に、進化したスマートグラス「Orion」の開発も進行中であり、これは将来的に高い収益を見込めるプロジェクトとされています。
アルファベットの強み：検索エンジンとAIの進化
アルファベットは、Googleを中心とした検索エンジン事業においてAI技術を積極的に取り入れ、競争力を強化しています。特に、広告ビジネスと検索機能にAIを組み込むことで、競争優位性を維持し、成長を続けています。
しかし、最近の市場では、競合他社のAI検索技術が台頭しており、アルファベットの市場シェアに対する懸念も広がっています。特に、AI技術を駆使した新しい検索エンジンが次々と登場する中、Googleの覇権が試される時期が来ているとも言えます。
それにもかかわらず、アルファベットは2024年にさらなる成長を期待されており、現在の株価は12ヶ月先予想利益の19.7倍で取引されている一方、5年間の平均である23.1倍を下回っています。これにより、同社の株価は割安であると評価されています。
まとめ
両社はともに、AI技術とバーチャルリアリティ分野での巨額投資を通じて、将来的な大幅な成長が期待されています。メタ・プラットフォームズはAIによる広告ビジネスの強化とVR分野での革新を進め、アルファベットは強力なAI技術を駆使した検索エンジンビジネスを発展させることで、両社ともに長期的な成功が見込まれます。
両社を「買い」推奨するジェフリー・ウロダック氏の目標株価は、それぞれメタが780ドル、アルファベットが215ドルであり、9月30日現在の株価から見るとメタが36%、アルファベットが30％の上昇余地があることを示しています。AI技術がもたらす次世代のイノベーションに期待を寄せる投資家にとって、両銘柄は見逃せない投資対象となっています。