半導体業界で強力なポジションを誇るブロードコム(AVGO)は、今後の株価上昇が期待される銘柄として注目されています。特に、人工知能(AI)分野における同社の積極的な取り組みや、従来型事業の改善が期待されています。米国大手投資銀行のサスケハナのアナリスト、クリストファー・ローランド氏も、このようなポジティブな評価を繰り返しており、ブロードコムの今後の成長に自信を見せています。
AI分野での強力な成長
ブロードコムは、AIに関連するハイエンドの特定用途向け集積回路(ASIC)市場で重要な役割を果たしています。エヌビディア(NVDA)、マーベル・テクノロジー(MRVL)、アリスタネットワークス(ANET)といった他の半導体企業からの需要の増加により、AI事業の好調が続いています。特にアルファベット(GOOGL)のGoogle部門のような大手企業がAIイニシアティブ向けにカスタムチップを設計する際、ブロードコムの技術が重要な支援を行っています。
ローランド氏は、エヌビディアや他のAI関連企業の好調な報告を引用し、ブロードコムのAI売上が今後も堅調に推移することを予想しています。これにより、AI分野での売上は引き続き増加し、株価のさらなる上昇を後押しする可能性があります。
従来型事業も改善の兆し
ブロードコムの従来型の半導体事業も注目すべき点です。ローランド氏は、同社のストレージや従来型ネットワークを含むコア事業が、底値に達し、今後改善に向かう可能性があると示唆しています。この従来型事業の回復が株価の上昇に寄与することで、ブロードコムは安定した収益基盤を確保できると予想されています。
サスケハナの格付けと目標株価
クリストファー・ローランド氏は、ブロードコムの格付けを「ポジティブ」とする評価を維持し、目標株価も200ドルで据え置きました。これは、今後も同社の業績が堅調に推移することを見越したものです。
決算報告に向けた注目
ブロードコムは、9月5日に予定されている決算報告で、AIおよび従来型事業のパフォーマンスを公開する予定です。この決算報告は、同社の今後の成長を左右する重要な要素となりそうです。ローランド氏は、同社が強力な事業基盤を持つことから、今後も安定した成長が期待できると述べています。
株価の動向
ブロードコムの株価は今年、約37%の上昇を記録しています。これは、同業他社のICE半導体指数に連動するiShares Semiconductor上場投資信託(ETF)の18%上昇を大きく上回るパフォーマンスです。さらに、ナスダック総合指数の14%の上昇も凌駕しています。
9月3日の終値は6.16%下落し、152.79ドルとなりましたが、全体的なパフォーマンスは引き続き良好です。今後の市場の動向や、AI分野での成長が引き続き好調であれば、ブロードコムの株価はさらに上昇する可能性が高いと予想されています。
まとめ
ブロードコムは、AI分野での強力な事業展開と、従来型の半導体事業の改善により、今後も株価の上昇が期待されています。サスケハナのクリストファー・ローランド氏のポジティブな評価に加え、エヌビディアをはじめとするAI関連企業の好調な報告は、同社の成長を後押しする要素です。ブロードコムに対する投資は、成長性と安定性の両方を兼ね備えた選択肢として魅力的です。9月5日の決算報告の内容が注目されます。
*過去記事 ブロードコム AVGO