ここ2年あまり、テクノロジー株の投資家たちは株価の大幅な上昇を享受してきました。しかし、今月に入り株価の下落が見られ、大手ハイテク企業、特に「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる企業群の株価下落が注目されています。このグループには、アップル、アマゾン、アルファベット、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、そしてテスラが含まれます。
S&P500指数への影響
S&P500種株価指数(SPX)の上昇は、これらのハイテク企業の時価総額の増加に大きく依存していました。特に、指数のリターンの半分以上がマグニフィセント・セブンからのものだったことからも、その影響の大きさが伺えます。2024年には、S&P500が史上最高値を38回更新するのに貢献しました。
7月の厳しい現実
6月末までにマグニフィセント・セブンをポートフォリオに組み込んでいた投資家は大きな利益を得ましたが、7月に入ってからは状況が一変しました。ラウンドヒルのマグニフィセント・セブンETFは7月現在2.73%下落しており、時価総額が1兆8,000億ドルも減少しました。この下げは、9月の利下げ期待が高まった時期と一致しています。
利下げの影響
利下げが間近に迫り、値ごろ感のあるハイテク株への投資魅力が薄れたため、多くの投資家は小型株にシフトしています。ケイン・アンダーソン・ラドニックのチーフ・マーケット・ストラテジスト、ジュリー・ビール氏によれば、アクティブ・マネジャーは借入コストの低下と経済成長の加速によって恩恵を受ける小型株を相対的な勝者と見なしています。
ハイテク企業の将来
キャピタル・エコノミクスのチーフ・マーケット・エコノミスト、ジョン・ヒギンズ氏は、マグニフィセント・セブンが2025年末までの市場の利益成長予測を達成できない可能性があると警鐘を鳴らしています。特に、アルファベットとテスラの最新決算が市場の低迷を助長しています。
アルファベットとテスラの業績
アルファベットは広告事業の減速と、AIへの巨額投資がすぐに成果を生むか不透明な状況にあります。一方、テスラは4四半期連続で期待を裏切る決算となり、7月24日の市場で株価は12%下落しました。
AIへの期待と課題
人工知能(AI)についても、投資家は楽観的になりすぎた可能性があります。エヌビディアが8月28日に決算を発表する予定ですが、AIへの投資がどの程度の成果を生むかはまだ不明です。
まとめ
7月はテクノロジー株にとって厳しい月となっていますが、これが長期的なトレンドかどうかはまだわかりません。投資家は今後の動向を注視し、慎重に判断する必要があります。