2024年7月17日、バイデン大統領とトランプ前大統領の発言が半導体銘柄に大きな影響を与えました。エヌビディア(NVDA)が6%下落するなど、多くの銘柄が急落し、市場全体に大きな波紋を呼び起こしました。
半導体セクターの急落
17日の早い段階で、PHLX半導体指数(SOX)は一時約3.7%下落しました。同時に、S&P500の情報技術セクターは3.1%下落し、これは2022年12月15日以来最悪の1日の下落ペースです。主要銘柄の下落は特に顕著で、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は7.4%の下落、ラム・リサーチ(LRCX)は7.3%の下落、アプライド・マテリアルズ(AMAT)は6.9%の下落となりました。
中国への規制強化と台湾問題
現ホワイトハウスは、日本とオランダに対して、中国への技術販売を制限するための「外国直接製品規則」の発動を検討しています。これにより、米国の技術を一部でも使用した企業に対して規制がかかる可能性があります。このニュースはブルームバーグ・ニュースにより報じられ、マイクロチップ装置メーカーの東京エレクトロン(8035)は7.46%、ASMLホールディング(ASML)は10.93%の株価下落を記録しました。
一方、トランプ前大統領はブルームバーグ・ビジネスウィーク誌のインタビューで、台湾が自国の防衛費を負担すべきだと述べ、中国が台湾を奪還しようとした場合に米国が台湾を防衛するというコミットメントを損なう発言をしました。台湾は先端マイクロチップ生産の90%以上を担っており、TSMCこと台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSM)の株価も7%下落しました。
半導体市場の今後の見通し
米国みずほ証券のアナリスト、ジョーダン・クライン氏は、中国の規制強化の話題が市場を覆い、半導体セクターからの資金流出が続いていると指摘しています。しかし、クライン氏は投資家に冷静さを保つことを勧めており、7月の決算シーズンに向けての調整が期待値を下げ、投資家のセンチメントを再調整するのに役立つと述べています。
特に注目すべきは、18日に予定されているTSMCの決算発表です。同社が発表する内容は半導体セクターの今後の方向性を決定する上で非常に重要であり、投資家はその結果に注目しています。
まとめ
今回の半導体セクターの急落は、バイデン大統領とトランプ前大統領の発言による影響が大きいことを示しています。市場は不安定であり、規制強化や地政学的リスクが投資家のセンチメントに影響を与えています。しかし、専門家は冷静な対応を勧めており、今後の決算発表や政策動向に注目することが重要です。
今後の市場動向を見守りながら、半導体セクターの投資機会を慎重に検討することが求められます。