エヌビディアに挑むAMD!Silo AI買収でAIエコシステム強化

AMD

現在進行中の人工知能(AI)コンピューティングにおける競争は、日々激化しています。その中で、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はAI特化型アクセラレータやチップの分野で注目されています。エヌビディア(NVDA)に次ぐ明確な2番手としての地位を確立しつつあるAMDは、さらなる成長を目指し、大きな一手を打ちました。それが、フィンランドを拠点とするAI研究・ラボ企業のSilo AIの買収です。

AMDのAIアクセラレータ「MI300」と市場展開

AMDは昨年、AIアクセラレータ「Instinct MI300」ファミリーを発表し、AI市場での存在感を高めています。特に、マイクロソフト(MSFT)がAzureクラウドインフラでMI300ベースのインスタンスを提供することを発表したことは、AMDにとって大きな追い風となりました。しかし、ハードウェア面での強みを持つAMDには、AIソリューションと顧客を統合するソフトウェア面での課題が残っています。

Silo AIの買収:AIエコシステムの強化

2024年7月、AMDはSilo AIを6億6500万ドルで買収する意向を発表しました。この買収は、AMDのAI戦略において重要なステップとなります。Silo AIは、2017年に設立され、業界固有のユースケースにAIを実現するサービスの創出やAIのベストプラクティスに関する研究を提供しています。

AMDのAI担当上級副社長ヴァムシ・ボッパナ氏は、この買収がAI市場でのAMDの機会を最大限に活用し、迅速な動きを可能にするためのものであると述べています。Silo AIは、アリアンツ、ロールス・ロイス、ユニリーバなど、世界トップクラスの企業と取引経験があり、その実績はAMDのハードウェアとの統合で強化されたAIエコシステムを販売することに力を発揮するものとして大いに期待されます。
*関連記事「AMDがAIエコシステムを強化!6億6500万ドルでSilo AIを買収

AI分野での専門知識と人材の獲得

AMDは、エヌビディアがAI市場で圧倒的な存在感を示す中で、AIの専門知識と経験を持つ人材の不足に直面していました。今回のSilo AIの買収により、AIとAIソフトウェア実装の専門家である従業員300人(うち125人は博士号取得者)を新たに獲得することができました。これにより、AMDのAI分野での専門知識が大幅に強化されます。

市場競争と今後の展望

エヌビディアのCUDAプラットフォームとそのソフトウェアリーダーシップに対抗するために、AMDはハードウェアだけでなくソフトウェア面での強化も急務です。Silo AIの買収は、AMDがこのギャップを埋めるための重要な一歩となります。MI300アクセラレータの40億ドルの売上目標を達成するためには、最適化されたAIモデルと企業環境におけるAI実装が不可欠です。

まとめ

AMDのSilo AI買収は、同社がAI市場での競争力をさらに高めるための重要な戦略的ステップです。ハードウェア、ソフトウェア、統合ソリューションの完全なエンド・ツー・エンド提供が可能になることで、AMDはエヌビディアに対抗し、AI市場での存在感を一層強化することが期待されます。

AMDの経営陣は、今回の買収を通じて、単なるトロフィーの獲得ではなく、本気で勝ちに行く姿勢を明確に示しています。今後の展開に注目が集まります。

*過去記事はこちら  AMD

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