AI革命とメタ・プラットフォームズ:投資家が見逃せない成長の鍵

過去1年半の間、テクノロジー株の中でも特に注目を集めてきたのは、AIチップメーカーのエヌビディア(NVDA)です。エヌビディアの株価は2022年10月1日以来、900%以上も急騰し、時価総額は驚異の2.7兆ドルに達しました。その影に隠れたような存在が、もう一つのマグニフィセント・セブン銘柄であるメタ・プラットフォームズ( META)です。同社は、現在1.1兆ドルの時価総額をほぼ倍増させ、2兆ドルクラブに飛躍する可能性を秘めた、過小評価された宝石のような存在です。

メタの大胆な投資:物議を醸すが高い収益性の可能性

メタは第1四半期の決算報告後に株価が下落しましたが、これは同社の回復力と将来性を示すものです。決算発表前にすでに株価は年初来で40%も急騰していました。売上高と一株当たり利益は予想を上回ったものの、設備投資に関する見通しが上方修正されたことが懸念材料となりました。経営陣は今年の資本支出を従来の300億ドルから370億ドル~400億ドルに増加すると予想しており、来年も積極的な投資が続くとしています。

短期的な投資家はこの支出増加に不安を感じるかもしれませんが、長期的な視点で見ると、メタの歴史的な投資サイクルは一貫して大きなリターンを生んできました。AIへの多額の投資はすでにコアプラットフォームに利益をもたらしており、将来的にも大きな成長が期待されます。

AIがメタの現在と未来を支える

メタのAIへの戦略的投資はすでに大きな成果を上げています。2022年以降、グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)への投資はユーザーエンゲージメントを向上させ、シングルディジット後半のユーザー成長を維持しています。AIによって新製品のリールのエンゲージメントが向上し、TikTokとの競争力を高めています。

さらに、AIは広告の作成とターゲティングを劇的に改善し、前四半期の売上は27%増という驚異的な成長を遂げました。メタは最近、若年層が再びフェイスブックに戻ってきていると発表しました。18歳から29歳のユーザーは過去5四半期で健全な成長を遂げ、米国とカナダでは4,000万人以上がフェイスブックを利用しています。

プラットフォームを超えたメタのAIの野望

メタのAIへの野望はコアプラットフォームだけにとどまりません。メタは生成AIモデルの開発に大規模な投資を行っており、特にLlamaシリーズに注力しています。Llamaはオープンソースであるため、外部開発者が貢献できる点で差別化されています。メタは膨大なユーザーデータを活用してLlamaを強化し、競合他社を一歩リードする可能性があります。

CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、Llamaの80億および700億パラメータモデルが「クラス最高」の性能を達成したと述べました。新しい4,000億パラメータモデルは、OpenAIのChatGPTや他の主要な大規模言語モデル(LLM)と競り合うはずです。

ザッカーバーグ氏はまた、LlamaモデルとMeta AIサービスの収益化の可能性についても説明し、ビジネスメッセージング、AI対話への広告導入、最先端のLlamaモデルやコンピューティングパワーへのアクセスに課金することなどを挙げました。

メタバースへの投資も忘れずに

もちろん、メタは今日、利益を生んでいない大規模な投資を1つだけ行っているわけではありません。メタは数年前からメタバースへの投資も積極的に行っています。ザッカーバーグ氏は、メタバースでの先行者利益が将来的に利益をもたらすと信じています。しかし、現在のところ、Reality Labs部門は収益を上げておらず、四半期ごとに数十億ドルの損失を出しています。

2兆ドルへの道

メタの評価を行う際、メタバースの損失を除いてコアプラットフォームだけを見ると、過去4四半期でコアアプリファミリーは693億ドルもの営業利益を生み出しています。税率20%を適用すると、コア事業は現在約550億ドルの純利益を生み出していることになります。

中核事業が現在のランレートの36倍で評価されるとすれば、メタの時価総額は2兆ドルに達する可能性があります。これは、同業のマイクロソフト(MSFT)の評価額と同等です。

コア事業だけで2兆ドルの評価が可能であるとすると、ポイントはまだ収益化されていないMeta AIサービスの将来性になります。AIサービスの潜在的な可能性とLlamaの有望な開発を考えると、将来的にMeta AIサービスが数千億ドルの価値を持つ巨大なビジネスに成長することは十分に考えられます。

まとめ

メタ・プラットフォームズは、リスクとリターンが絶妙に混在した銘柄です。同社のAIとメタバースへの積極的な投資は物議を醸すものの、長期的には大きな利益をもたらす可能性があります。長期的な視点を持つ投資家にとって、メタは2兆ドルクラブに加入する可能性を秘めた銘柄として、マグニフィセント・セブンの中でも特に注目すべき存在です。

*過去記事 メタ・プラットフォームズ

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