アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が第1四半期の決算を発表しました。この四半期における売上高は55億ドルで、市場の予想とガイダンスをわずかに上回りました。特に、データセンター事業とAI向け半導体の需要が強い成長を見せていますが、一方でゲームや組み込み市場は苦戦を強いられています。データセンター向けの売上見込みが市場の期待に届かず、株価は決算発表後の時間外取引で下落しています。
第1四半期の業績
第1四半期の売上は55億ドルで前年同期比で2%の増収を記録し、ガイダンスの中間値である54億ドルをわずかに上回りました。調整後の利益は1株当たり62セントで、アナリストのコンセンサス予想と一致しました。
データセンターとAI市場での顕著な成長
AMDのCEO、リサ・スー氏によれば、データセンター事業は前年比で80%の大幅な増加を見せており、これは同社のAIデータセンター向けMI300チップに対する強い需要によるものです。さらに、クライアント事業も85%増と顕著な成長を遂げています。
MI300チップの戦略的な展開
スー氏は、デル・テクノロジーズ(DELL)、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)、スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)などの大手企業と協力してMI300ベースのシステムを開発中であることを明らかにしました。これらのシステムは、今四半期に量産を開始する予定です。
2024年の展望と市場の反応
AMDは2024年のデータセンター向けGPUの売上が40億ドルを超えると見ていますが、この予測は投資家の一部には保守的と受け取られ、株価は時間外取引で下落し、6.4%安の148.23ドルで取引されています。
まとめ
AMDの第1四半期の結果は、特にデータセンターとAI市場における同社の位置づけが強化されていることを示しています。この成長動向は、将来の技術革新と市場の要求に応えるAMDの能力を象徴しています。AMDは引き続き市場の予想を上回る成果を目指しており、特にAIとデータセンター市場でのその役割は今後さらに重要になると考えられます。
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