2024年第1四半期、米国最大級の公的年金基金の一つであるミシガン州退職年金制度（SMRS）は、その投資ポートフォリオに大きな変更を加えました。特に注目すべきは、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ（AMD）、ペロトン・インタラクティブ（PTON）、ウォルマート（WMT）への大幅な投資増加です。これらの動きは、SMRSの積極的な投資戦略と市場の変動に対する迅速な対応を示しています。
AMD株の戦略的買い増し
AMDは2024年第1四半期に22%の価格上昇を遂げました。これはS&P500種株価指数の10%の上昇を大きく上回るパフォーマンスです。SMRSは追加で14万2400株を購入し、保有株数を91万3100株に増やしました。しかし、第2四半期には13%の株価下落が見られ、最近の中国市場での外国技術排除政策や台湾の地震の影響が株価にネガティブな影響を及ぼしています。
ペロトンへの投資拡大
ペロトンは、第1四半期に30%の大幅な下落を記録しましたが、SMRSはこれをチャンスと捉え、株を48万株追加購入し、保有株数を59万6500株に増やしました。エクササイズバイクで知られるペロトンは2月にマクロ経済の不透明さと加入者増加の困難さを理由に、年間キャッシュフロー目標の達成が困難であると警告しています。
ウォルマート株の大量買い増し
ウォルマートは、第4四半期の好調な業績と株主還元の増加を背景に、第1四半期に株価が15%上昇しました。SMRSはウォルマート株を大幅に買い増し、保有株を1,172,800株にまで増やしました。この動きは、ウォルマートが引き続き安定した成長と収益性を見せていることから、長期的な投資価値があると判断されたものです。
ゼネラル・モーターズの売却
一方でSMRSはゼネラル・モーターズの株式を売却しました。同社の株価は、第4四半期の好調な報告とガイダンスにより1月に急騰しています。
まとめ
SMRSの第1四半期の投資戦略は、リスクを管理しつつ市場機会を活用することに集中しています。これらの投資行動は、将来的にどのような市場動向が見られるかによって、その効果が評価されることになります。