メタ・プラットフォームズ（META）は4月10日、AIワークロード用に設計された新しいチップ、「MTIA」の第2世代を発表しました。この技術的進歩は、メタのAI戦略において重要なマイルストーンとなり、AIと半導体業界における競争の新たな局面を示唆しています。この記事では、MTIAチップの特徴、その業界への影響、およびメタ社の長期的な戦略を掘り下げていきます。
MTIAチップとは？
「Meta Training and Inference Accelerator」の略であるMTIAチップは、AIワークロードのために特別に設計されたプロセッサです。第1世代が2023年にデビューして以来、メタはこの分野での技術革新をリードしてきました。最新の第2世代は、先代の2倍以上のコンピュート能力とメモリ帯域幅を実現し、AIの計算においてさらなる高みを目指しています。
業界への影響
メタのこの発表は、アルファベット（GOOGL）とインテル（INTC）による新しいプロセッサの発表に続くもので、半導体業界では競争が激化しています。特に、エヌビディア（NVDA）が市場をリードする中で、アマゾン（AMZN）、アルファベットそしてメタといったクラウドコンピューティングの大手も、独自のチップ開発を進め、GPUの補完または代替としての道を模索しています。
メタの長期的な戦略
メタのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は、2024年末までに同社のデータセンターで35万個のエヌビディア H100チップを稼働させる計画を明かしています。MTIAはエヌビディアのチップを補完し、メタのAIワークロードに対して最も効率的なアーキテクチャを提供する長期的なベンチャーと位置づけられています。
技術的な詳細
新しいMTIAチップは、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング（TSM）の5ナノメートルプロセス技術を使用して製造され、最初の世代に比べて大幅に性能が向上しています。このチップは、ランキングや推薦モデルを提供するための計算能力、メモリ帯域幅、およびメモリ容量の適切なバランスを提供します。メタ社によれば、新しいチップは第1世代のチップの3倍の性能を示しており、ワットあたりの性能は1.5倍向上しているとのことで、メタのAIワークロードにとって極めて効率的なインフラを構築することを目指しています。
まとめ
メタによるMTIAチップの発表は、AI技術と半導体業界における重要な進歩を示しています。このチップは、AIワークロードの効率性と性能を大幅に向上させることで、ユーザーに最高の体験を提供するメタの能力を強化します。この進化は、将来のAI技術開発においても重要な役割を果たすことになると期待されています。
＊過去記事 メタ・プラットフォームズ