オラクルの決算発表が示す、クラウドの新時代

  • 2024年3月12日
  • 2024年3月12日
  • BS余話

オラクル(ORCL)が予想を上回る決算を発表し、クラウド・コンピューティング事業における明るい未来を示唆するガイダンスを提供したことで、株価は3月11日のアフターマーケットで急騰、14.34%高の130.5ドルで取引されています。このニュースは、エンタープライズ・ソフトウェア業界における同社のリーダーシップと、クラウドセクター全体の成長の勢いを象徴しています。

予想を上回る第3四半期決算

2月29日に終了した会計年度第3四半期において、オラクルは報告ベースでも為替調整後ベースでも7%増の133億ドルの売上高を達成しました。これは、ウォール街の予想とほぼ一致する結果です。調整後の1株当たり利益は1.41ドルで、ウォール街のコンセンサス予想1.38ドルを上回りました。

クラウド事業の著しい成長

特に注目すべきは、クラウドインフラ事業が49%増の18億ドルの売上を上げたことです。一部のレガシー・ホスティング事業を除いた成長率は52%で、年換算売上高は67億ドルに増加しました。オラクルによると、供給制約がなければ、成長率はもっと高かったのことです。

この成果は、オラクルのクラウド・インフラストラクチャ事業が”超成長段階”に入っていることを示しています。一方、クラウドアプリケーションの売上は33億ドルで、14%増加しました。

今後の仕事の指標となる履行義務残額は29%増の800億ドルに急増しています。クラウド・サービスと「ライセンス・サポート」(永久ソフトウェア・ライセンスの保守契約)を合わせると、12%増となっています。

明るい未来への道

オラクルは、クラウド・インフラストラクチャ事業での大型契約の獲得や、クラウド・データセンターの新規開設を加速しており、この動きは需給バランスにおいて「供給を大幅に上回る」需要を生んでいます。さらに、同社は2022年に280億ドルで買収したサーナーの電子カルテ事業が「今後数年間は高成長事業」になると述べています。

投資と将来の展望

オラクルは5月期の売上高を4%〜6%増、サーナーを除くと6%〜8%増と見ています。アナリストのスコンセンサス予想では6%増の147億ドルと見られていました。サーナーを除くクラウドの売上は22%か〜24%増と見込んでいます。オラクルは、調整後の利益を1株当たり1.62~1.66ドルと見ており、これは1.64ドルとするコンセンサス予想とほぼ同じです。さらに、2025会計年度の設備投資額は約100億ドルになると予想され、これは技術革新と市場リーダーシップをさらに強化する動きです。

まとめ

オラクルの最新の決算発表は、同社がエンタープライズ・ソフトウェア業界における革新の先駆者であり続けていることを証明しています。クラウド・コンピューティング事業における著しい成長と、将来に向けた明るい展望は、投資家にとっても業界関係者にとっても注目すべきポイントです。

*過去記事「オラクルの最新四半期決算分析: クラウド事業の挑戦と今後の見通し

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