113年の歴史を持つコンピューター業界の老舗であるIBMの株価が、1月24日の決算発表後に見せた驚異的な上昇は、人工知能(AI)と経済力の真価を示す鮮やかな事例です。
IBMの第4四半期決算:予想をわずかに上回る
24日遅くに発表された第4四半期決算の内容はウォール街の予想をわずかに上回りました。しかし、決算のハイライトは、AIワークロードのビジネスブックが前四半期比で倍増したという点にあります。これは、IBMがAI分野で急速に成長していることを示しており、投資家にとって大きな魅力となっています。
フリーキャッシュフローの大幅な増加
さらに、IBMはフリーキャッシュフローで大きな成功を収めました。今年度のフリーキャッシュフローは予想の105億ドルを大幅に上回る112億ドルを達成し、2024年には120億ドルへの上方修正が予想されています。
売上高予想の上方修正
IBMはまた、2024年の売上高成長率を1桁台半ば(4%から6%)と予想し、これは市場のコンセンサスである3%を上回るものです。特に、ハイブリッドクラウドとAIの分野における成長が注目されています。
従業員削減とコスト削減計画
IBMはさらに、AIの活用による自社の効率化と、コンサルティングおよびソフトウェア部門でのAI専門家の増強に伴い、従業員を数%減らすとともに追加コストを削減するという計画を発表しました。
株価の顕著な上昇
これらの発表を受けて、IBMの株価は1月25日の市場で10%高の192ドルと近年で最も大きな上昇を見せ、2013年6月以来の終値最高値に迫っています。これは、IBMが市場の期待を上回る成長を遂げていることの証と言えます。
アナリストの見解
BofA グローバル・リサーチのワムシ・モハン氏は、IBM株の目標株価を200ドルに引き上げ、同社のフリーキャッシュフローやAIポートフォリオに対する楽観的な見解を示しました。また、メリアス・リサーチのベン・ライツェス氏は、IBMの「買い」の格付けを維持し、目標株価を224ドルに設定しています。
まとめ
IBMの最近の株価上昇は、同社のAIとフリーキャッシュフローに関する強力なパフォーマンスの証です。投資家はこの業績を高く評価し、IBMの株価は新たな高みを目指しています。IBMの今後の成長と株価の動きに注目が集まります。
*過去記事はこちら IBM