IBMの株価予測:ウォール街の警鐘とAIの未来

  • 2024年1月8日
  • 2024年1月8日
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インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)は、人工知能(AI)の分野でリーダーとなるべく新年を迎えています。同社は、企業向けAIモデルやアプリケーションを構築するための「Watson X」という革新的なソフトウェアプラットフォームを発表し、ウォール街からの注目を集めています。しかし、ウォール街のアナリストたちは、IBMが市場を納得させるにはまだやるべきことがあるとの見解を示しています。

現在、IBMの株価は2017年以来の高値を記録しています。生成AIのトレンドにおいて、IBMはその位置づけを確固たるものとし、株価を高めようとしています。しかし、一部のアナリストは、IBMの株価上昇にはまだ限界があると指摘しています。特に、ジェフリーズのアナリスト、ブレント・ティル氏は、IBMのソフトウェア事業の成長率と利益率が同業他社と比較して低いことを理由に、短期的な株価上昇は限定的だろうと述べています。

一方で、IBMは2021年にITマネージドサービス事業のキンドリル(KD)をスピンオフし、ソフトウェアとコンサルティング事業に焦点を絞りました。ティル氏はこの戦略を評価しつつも、利益率の低いコンサルティング事業が成長を支配する場合、株価が高い利益倍率を達成するのは難しいかもしれないと警告しています。

さらに、金融分析会社ファクトセットによると、ソシエテ・ジェネラルのアナリスト、リチャード・グエン氏はIBM株の格付けを「ホールド」から「売り」に下げ、目標株価を143ドルに据え置いています。これはバリュエーションに基づく動きのようです。IBM株は数年来の高値付近で推移しているものの、マイクロソフト(MSFT)やアルファベット(GOOGL)、アクセンチュア(ACN)といった競合他社と比較して株価上昇率で遅れを取っています。

ティル氏は「大半の顧客はまだAI戦略の初期段階にあり、これらのテクノロジーを効果的に活用する方法について支援を必要としている」と述べ、IBMの戦略コンサルティング部門に短期的なAIの大きな機会があると見ています。

IBMはAI分野でのリーダーシップを確立する道の途中にあり、その株価は短期的には限界があるかもしれませんが、長期的には大きなポテンシャルを秘めています。AI技術の進化とともに、IBMの戦略がどのように展開するかが注目されます。

*過去記事はこちら IBM

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