債券利回りと成長株:あなたのポートフォリオを成長させる負の相関

AMD

米国の債券利回りが低下を始め、今後もその傾向が続く可能性が高まっています。これによって成長株が恩恵を受けることになりそうです。

米国10年物国債の利回りの低下

米国10年物国債の利回りは、過去16年で最高だった5%を超える水準から、4.6%を下回る水準にまで落ちて来ています。この低下は、米連邦準備制度(FRB)が短期金利の引き上げを終了したという期待によるものです。これにより、債券の価格は上昇し、利回りは低下しました。

更なる利回り低下の可能性

この利回りがさらに低下すると考える十分な理由があります。同債券の利回りは、今後10年間に予想される年平均インフレ率をまだ2%ポイント以上上回っているため、株式市場の常に存在するリスクに対するヘッジとして、株式と債券の両方を求める投資家を引きつける可能性があります。

恩恵を受けるハイテク株

通常、利回りの低下で株価が上昇するのは、急成長中のハイテク銘柄です。その多くは、利益の大部分が何年も先にもたらされることを期待しており、長期債利回りの低下は将来の利益の価値を高めます。その結果、バリュエーションが上昇し、これはしばしば来年の一株当たり予想収益の倍数として株価に反映されます。ハイテク株の株価が債券利回りと負の相関関係にあるのはそのためです。

負の相関

債券利回りと株価の影響を理解することは重要です。なぜなら、これによりハイテク株が利回りが急上昇した際に苦戦し、利回りが低下するとなぜ価値が上がるのかが説明できるからです。これは「負の相関」という戦略の原則です。

例えば、アマゾン・ドット・コム(AMZN)は、過去4年間で10年物国債の利回りに対して約-74.8%の負の相関を持っていました。これはアマゾンが高成長株であり、ファクトセットによると、今後5年間で年平均約30%のEPS増加が見込まれているからです。S&P 500の年間成長予想は約8%です。

サービスナウ(NOW)も、10年物国債の利回りに対して負の79.5%の相関を示しています。アナリストは今後3年間で年平均20%以上のEPS成長を予想しています。

エヌビディア(NVDA)マイクロソフト(MSFT)、そしてアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの他の大手ハイテク企業も、S&P 500よりも速い利益成長が予想され、少なくとも負の60%の相関を持っています。

ハイテク以外の成長株も注目

ハイテクセクターだけでなく、テスラ(TSLA)ナイキ(NKE)インテュイティブ・サージカル(ISRG)アライン・テクノロジー(ALGN)など他セクターの成長株も、債券利回りの動向から影響を受ける可能性があります。これらの企業もまた、将来の利益成長が見込まれ、利回りの低下によってその評価が上がる可能性があります。

まとめ

ウォール街の最新の話題は、債券利回りの動向とそれが株式市場、特に成長株に与える影響に集まっています。投資家にとっては、この情報を戦略に活かし、将来の利益を見込むハイテク株や成長株への投資比重を見直す絶好の機会と言えそうです。市場の波に乗り、利回りの動向を踏まえたポートフォリオの調整によって、投資の成功をさらに手繰り寄せることが可能となります。

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