アームが上場初日で25%アップ!今後の展望とアナリストの評価を解説

9月14日、アーム・ホールディングス(ARM)が株式市場に初登場し、初日の取引でIPO価格を25%上回る63.59ドルという驚異的な終値を記録しました。

アームのビジネスモデルと市場の反応

アームは、スマートフォン市場を中心とした多くの半導体メーカーにチップ設計を提供する英国の企業で、初日の時価総額は652億ドルに達しました。同社の初値は、IPO価格の51ドルを10%上回りました。

ソフトバンクグループとの関係

ソフトバンクグループは、2016年にアームを360億ドルで買収し、約90%の株式を保有しています。一度はエヌビディア(NVDA)に売却を計画していましたが、規制当局の反対で取引は破綻しました。

アームの財務状況と見通し

最近の報告によると、アームの2023年3月期の売上高は26億7900万ドルで、当期純利益は5億2400万ドルでした。CFOジェイソン・チャイルド氏は、将来の成長率は同社の3年間の平均売上高成長率(約15%)を基に見積もることが理にかなっていると語りました。

IPO後の展望とアナリストの意見

ニュー・ストリート・リサーチのアナリスト、ピエール・フェラーグ氏はアームの目標株価を59ドルと設定し、「買い」の評価を与えました。同氏は、2026年には820億ドルの価値があり、ロイヤリティ収入の27倍、税引き前利益の40倍の倍率に基づき、その間ロイヤリティ収入は毎年10%台半ばで成長すると予測しています。

携帯電話市場が低迷する中、アームの2022年の売上高は2021年と同水準でしたが、フェラーグ氏は今後5年間の平均で少なくとも2桁前半の成長は可能だと考えています。また、増収に対するコストが最小限に抑えられることから、同期間の税引き前利益は3倍になると考えています。

一方で、インデペンデント・ソリューションズ・ウェルス・マネジメントの技術系ファンドマネージャー、ポール・ミークス氏は、アーム株の評価が「ひどく引き伸ばされている」との見解を示しました。

直近の会計年度で何の成長も見せなかった会社にとって、この評価は異常にアグレッシブだと同氏は考えています。同氏はまた、同社の売上の約4分の1を占める中国へのエクスポージャーにもリスクを感じています。

投資のチャンスとリスク

ソフトバンクグループの孫正義CEOは、アーム株の保有を継続する意向を示しましたが、市場はソフトバンクが将来アーム株を売却するリスクを懸念しています。また、アームの中国市場への依存もリスク要因として挙げられます。

まとめ: アームの株価動向と今後の成長戦略

アームの初日の株価動向は、その強力なビジネスモデルと業界への影響力を示しています。しかし、いくつかのリスク要因も存在しており、投資家はこれからの動きに注意が必要です。

今後のアームの成功は、技術革新と市場戦略の適切なバランスが求められます。このIPOはソフトバンクグループにとっても重要な局面であり、AI関連投資の積極化を計画しています。

*過去記事「IPO市場を席巻? アームの市場評価と将来の見通し!

キーワード: アーム・ホールディングス, IPO, ソフトバンク, 株価予測, 半導体業界, 投資分析

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