最近の市場での動向を見ると、生成AIとカスタム半導体(特にASIC)の関連性が鮮明になってきました。特に、人工知能プロジェクトに必要なハイエンドのカスタム設計半導体市場は、J.P.モルガンの初期の予想を大きく上回る勢いで成長しています。
市場規模の拡大
J.P.モルガンのアナリストのハーラン・サー氏は8月18日、ASICの市場規模予測を引き上げました。下限は130億ドル〜150億ドル、上限は150億ドル〜180億ドルと予想しています。
この予想は、生成AIの積極的な採用が、カスタムチップ(ASIC)のAIコンピュート・アクセラレータへの需要を急増させていることを示唆しています。
ブロードコムとマーベルに注目
この市場拡大の受益者となるのは、カスタムチップ設計の大手、ブロードコム(AVGO)とマーベル・テクノロジー(MRVL)になるとサー氏は考えています。最近の取引データを見ても、これらの企業の動向に関心が高まっているのが確認できます。
生成AIの台頭
生成AIは、テキスト、画像、動画のコンテンツ作成に革命をもたらしています。オープンAIがChatGPTをリリースしたことで、この技術への関心がさらに増しています。これに伴い、関連するカスタム半導体の需要も増大すると予想されます。
今後の見通し
サー氏は、ハイエンドASIC市場が今後毎年20%のペースで成長するとの見解を示しています。中でも、ブロードコムが市場シェアの35%を持ち、続いてマーベルが12%のシェアを確保していると考えています。6月以降、ブロードコムは2~3件の新規カスタムチップ案件を獲得し、マーベルはさらに1~2件の案件を獲得したと同氏は見ています。
「こうした顧客の取り組みにより、ブロードコムとマーベルの両社は引き続き好調な受注/設計活動を続けていると考えている」と同氏はコメントしています。
同氏は、マーベルの格付けを「オーバーウエート」、目標株価を 70 ドルに設定しています。ブロードコムについては、J.P.モルガンがブロードコムへの売却に関して VMウエア(VMW)の財務アドバイザーを務めることが発表された後、同氏はカバレッジを中止しています。
マーベルは8月24日に第2四半期決算を発表する予定です。
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