8月1日に第2四半期決算を発表したアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)についてアナリストたちが評価しています。
*決算の詳細についてはこちら「AMD株価急上昇!良好な決算報告と今後のAI市場への展望」
現在のAMDに対する評価は、第4四半期にローンチ予定のMI300Xチップの成功に左右されるとの見方を多くのアナリストがしています。このチップは、AI技術の推進力としてエヌビディア(NVDA)のグラフィックス処理ユニット(GPU)の市場シェアを奪うことを目指しています。
シティグループのアナリストたちは最新のニュースをポジティブに評価しています。クリストファー・ダネリー氏はそのリサーチノートで、「AMDのAI製品(MI300)は利ざやの希薄化を招き、投資家は最終的にAMDに対する割高な評価を気にするようになると考えていたが、その両面で間違っていた」と述べています。
同氏はAMD株の格付けを「中立」から「買い」に引き上げ、目標株価を120ドルから136ドルに上げました。新しい目標株価は、AMDのサーバー市場シェアの増加とAIの機会を基に予測される2024年の予想利益の40倍というP/E倍率に基づいています。
キーバンクのジョン・ヴィン氏も楽観的な見方を示し、来年にはMI300Xの出荷が大幅に増加し、GPUの売上が約20億ドルになると予測しています。同氏はAMDの目標株価を160ドルとし、「オーバーウェイト」の格付けを維持しています。
「我々は、AMDの製品ロードマップ戦略の復活を固く信じており、製品の牽引力は説得力がある。シェア拡大と成長への期待は高い」とヴィン氏はリサーチノートに書いています。
AMDの最高経営責任者(CEO)リサ・スー氏は、AIチップの競争では「複数の勝者」が出ることを予想し、同社は現在エヌビディアにとってのキーとなるソフトウェア能力に投資しているとアナリストに語りました。
アナリストたちは、エヌビディアが今後もAIチッププレーヤーの主導権を保つと予測していますが、その市場シェアは現在の約90%から低下する可能性がると予想しています。一方、AMDはインテル(INTC)を抑えて、2位になると予想されています。
しかし、オッペンハイマーのアナリスト、リック・シェーファー氏は、「MI300のAIシェア拡大には、NVDAのA100/H100アクセラレータとソフトウェア・エコシステムをリードするNVDAに対して苦しい戦いが予想される」とリサーチノートに書いています。
シェーファー氏は、AMDはAI分野で数十億ドルのビジネスチャンスがあると述べているものの、主要顧客を獲得するための詳細は明らかにしていないと指摘。同氏の基本的な見方は、AMDのGPUシェアが市場のローエンドに追いやられるというものです。
同氏はAMD株の「パフォーム(市場平均)」の格付けを維持し、目標株価は設定していません。
*過去記事はこちら AMD