今日のデジタル広告業界は、無数のプレイヤーで構成されています。しかし、その中で突出した存在感を放つのが、アルファベット（GOOGL）とメタ・プラットフォームズ（META）という業界の巨人と呼ばれる2社です。
アルファベットとメタの優位性
アルファベットとメタは、デジタル広告市場で繰り広げられる厳しい競争を制しています。その要因となるのは、全世界における何十億人ものリーチ、それぞれが検索とソーシャルメディアで発揮している圧倒的な支配力、そして先端のAI開発による一歩先の戦略です。
近年のデジタル広告市場の不振を打開したアルファベットとメタは、AIと広大な消費者リーチを広告販売に活用するための計画を進めています。特にアルファベットは、AI開発に取り組み始めてから少なくとも7年が経過し、その結果が現れています。一方のメタでは、近い将来に向けてAI開発を加速させることをCEOのマーク・ザッカーバーグ氏が示唆しています。
AIと広告：アルファベットとメタのアプローチ
アルファベットとメタは、AIを積極的に広告戦略に組み込んでいます。アルファベットは、AIと機械学習を用いた製品や広告ソリューションを10年前から開発しており、その成果が見られています。一方、メタは、AIを既存の製品（InstagramやReelsなど）の広告機能、社内の生産性と効率の向上に活用する計画を進めています。
これらのAI開発による影響は、デジタル広告市場全体に及んでいます。一部の企業、例えばスナップ（SNAP）や元ツイッターのXなどは、アルファベットやメタに対抗するために広告投資を増やしていますが、成果が出るまでには時間がかかりそうです。
デジタル広告市場の未来
デジタル広告市場は、今後も大きな変化を遂げると予想されます。フォレスターのアナリスト、Kelsey Chickering氏は、テレビ広告の収入が2027年までに約700億ドルから650億ドルへと減少すると予測しています。その一方で、アルファベット、メタ、そしてマイクロン（MSFT）のLinkedInが広告市場の変化による利益の大部分を享受するとの予測もあります。
デジタル広告戦略は、これらの巨人の動きを見ながら進化し続けます。AI開発が進むことで、広告業界はさらなる変化を迎えると予想されます。
＊過去記事 アルファベット GOOGL メタ・プラットフォームズ