カウエンが投資家に対してアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)に対する短期的な警戒心を解くよう提案しました。その理由は、AMDの人工知能(AI)半導体市場における成長見通しが極めて有望だからです。
AMD株価:明るい未来への見通し
7月11日にカウエンのアナリストのマシュー・ラムジー氏は、AMDの目標株価を115ドルから135ドルに引き上げました。さらに、同氏は「アウトパフォーム」の格付けも再度示しています。
これを受けて、AMDの株価は12日に2.9%上昇し、114.58ドルとなりました。ラムジー氏は、AMDのデータセンター向けの販売の見通しや、より強力な製品に支えられたAI戦略が投資家の関心を引くと述べています。
PC業界の低迷とAMD
PC業界の売上は、ここ数四半期で低迷しています。調査会社IDCによると、2023年6月期の全世界のPC出荷台数は前年同期比で13%減少しました。IDCはこの減少を、軟調なマクロ環境と消費者・企業双方の需要不振によるものと分析しています。コンピューター・プロセッサーの販売が売上の大部分を占めるAMDにとって、これは良いニュースではありません。
AIチップ市場とAMDの新たなチャンス
しかし、AMDは、AIチップ市場の活況から大きな恩恵を受ける可能性があります。ラムジー氏は、AMDは2025年までに新しいAIチップで数十億ドルのビジネスチャンスを得ると予想しており、AMDのビジネスは今年後半には改善し、今後2年間で業績が大きく伸びる見込みとのことです。
AMDがAI のTAM(獲得可能な最大市場規模)に対して強力な製品群を提供するための土台を築いているとの見解をラムジー氏は示しています。現在、AIアプリケーションに使用されるチップの市場リーダーはエヌビディア(NVDA)ですが、その座を狙うべく準備に余念がないのがAMDの今の状況のようです。
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