ブロードコムの業績予測:オープンAIのChatGPTとの関係性

ブロードコム(AVGO)の株価が大きく動いています。ウォール街の予想を上回る業績と見通しの公表を受け、6月1日の市場終了後の取引では株価が上昇と下落の間を行き来しました。

通常セッションを2.2%下落して789.95ドルで終えたブロードコム株は、取引時間外では一時3%下落しました。しかし、この動きは一時的なものでした。CEOのホック・タン氏が、マイクロソフト(MSFT)が支援するオープンAIのChatGPTとともに、生成AIモデルの可能性について語ったところ、株価は時間外取引で一時4%上昇しました。

ブロードコムとオープンAIの可能性

タン氏は決算発表後の電話会議で、マイクロソフト(MSFT)のような生成AIモデルに期待していると述べ、オープンAIのChatGPTが2024年度には売上の4分の1以上を占めるようになるとし、「この機会から得られる今日の売上は、当社の半導体事業の約15%に相当します。しかし、2022年度には10%に過ぎませんでした」と述べました。これは、オープンAIのChatGPTの進化が、ブロードコムの収益構造に変化をもたらす可能性を示しています。

しかし、こうした予測に対し、アナリストからは、大幅な増加が他のセグメントからのカニバリゼーション(同一企業内の製品間で売上が奪い合われる現象)を意味するのではないかという疑問が出されました。タン氏は「カニバリゼーションは見られない。これは比較的初期の段階であり、予算はそれほど急速に変化するものではない」と返答しています。

ブロードコムの強固な業績

ブロードコムの第2四半期の純利益は34億8000万ドル(1株当たり8.15ドル)で、前年同期の25億2000万ドル(1株当たり5.93ドル)と比較すると大幅に上昇しました。売上高は、半導体の売上が前年同期比9%増の68億1千万ドル、インフラストラクチャーソフトの売上が同3%増の19億3千万ドルで、合計で前年同期の81億ドルから87億3千万ドルに増加しました。

アナリストは、売上高87億ドルに対し、1株当たり10.12ドルの利益を予想していました。また、半導体の売上を68億ドル、インフラストラクチャー・ソフトウェアの売上を18億9000万ドルと予想していました。

ブロードコムとアップルの契約

ブロードコムは先週、アップル(AAPL)との契約を発表し、812.73ドルと終値での新高値を記録しました。この契約により、ブロードコムはiPhoneの特定のコンポーネントの供給を続けることになります。

ブロードコムは今後も、AI技術やパートナーシップを駆使して新たな収益源を開拓すると予想されています。これらの動きは、企業の将来性をより一層強化する要素であり、投資家や市場関係者にとって注目すべき情報となっています。

過去記事「アップルとブロードコム:数十億ドル規模の合意と米国製へのシフト

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