マイクロソフト AI機能追加で人気沸騰

Officeアプリケーションのスイート全体にAI機能を追加することを発表したマイクロソフト(MSFT)株の人気が沸騰しています。
マイクロソフト オフィスワークに変革をもたらすか?OfficeにAI機能を追加

株価は3月17日朝の市場で急騰。一時は280ドルを超え、時価総額は1300億ドル近く増加しました。17日の終値は1.17%高の279.43ドル。時価総額は2兆ドルとなっています。

マイクロソフトは、これらの新機能の提供時期や費用について詳細を明らかにしていませんが、そんなことには関係なくアナリストは高い評価を与えています。

米国みずほ証券のアナリスト、グレッグ・モスコウィッツ氏は、格付けを「買い」、目標株価を315ドルとし、AIがマイクロソフト株をめぐる物語を変えるだろうと評しています。

「われわれは、消費者と企業のユースケースにまたがるMSFTの非常に広範なAI適用性を見続けている。スムーズにはいかないかもしれないが、Microsoft 365 Copilotはユーザーにとって大きな生産性向上要因になるというのが我々の見解である。また、MSFTはMicrosoft 365 Copilotだけでなく、より広範な生成型AIイニシアティブも時間をかけて大幅に収益化すると我々は考えている」と同氏は書いています。

UBSのアナリストであるKarl Keirstead氏は、Office製品にCopilotが加わることによる生産性向上は「重要であるように見えた」とし、「デモはおそらく最大の懐疑論者をも感動させた」と評価しています。

格付けを「中立」とする同氏は、17日の朝、目標株価を250ドルから275ドルに引き上げました。「(デモの)ライブストリームは、マネタイズの開示がなくても、マイクロソフトがオープンAIへの投資を活用する能力について投資家の熱意を持続させるのに十分なほど印象的だった。マイクロソフトは、生産性ソフトウェアの主要なライバルであるグーグルに対する競争力を強化するために、再びAIを活用することに成功した」と同氏は評価しています。

ドイッチェバンクのBrad Zelnick氏は「買い」の格付けを維持すると発表しましたが、マイクロソフトの今後については慎重な見方をしています。「我々はデモに非常に感銘を受けたが、Bing Chatの導入は、製品の精度と実用性が我々が見た可能性に完全に応えるには、おそらくしばらく時間がかかる」と同氏は見ています。

それでも、「システムが成熟するにつれて、M365 Copilotがワークフローに広く浸透し、生産性とビジネス価値を高めることになると楽観視しており、Officeのユーザーに対する粘着性はこれから高まっていくだろう」と予想しており、今のところ新しいAIイノベーションによる収益貢献は最小限と見ているものの、時間の経過とともに 「これは大きな針の移動となりうる」と評価しています。

レッドバーンのアナリスト、Alex Haissl氏は、AIに投資する最善の方法について102ページのレポートを発表し、最善の賭けはクラウドコンピューティング・ベンダーであり、特にマイクロソフトとアマゾン(AMZN)の両方であると結論付けています。

「ハイパースケーラは、複数のレイヤーで高いマーケットシェアを持っているため、強い立場にある」とする同氏は、「マイクロソフトは、ほとんどの製品にAIを統合できるため、最大のマネタイズアップサイドを持っている。インフラとハードウェアに焦点を当てたアマゾンにとってのチャンスは、異なるが、それでも相当なものである。グーグルはAIイノベーションの最前線にいるが、マネタイズの面ではマイクロソフトとアマゾンが先行している」と述べています。

AIは、売上の増加とコストの削減の両方の形で、企業に「実質的な経済的利益」を提供すると同氏は評価しています。AIのビジネスチャンスを見極めるには、潜在的なユースケースの大半が現存しないため難しいものの、インターネットの黎明期やアップルのApp Storeが登場した頃を想起すると同氏は述べています。

「World Wide Webの黎明期には、ソーシャルメディアがいつかどれほどの規模になるのか、App Storeが登場した頃には、そこにどれほどの数の、どんなアプリが登録されるのか、誰も知らなかった。今にして思えば、両者は最も楽観的な想定さえも超えていたと言える」と同氏は書き、AIによってもたらされるクラウドの売上の増加に対する現在のコンセンサス予想はあまりにも低すぎるとしています。

*過去記事はこちら マイクロソフト MSFT

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