ビデオゲーム開発ツールメーカーのユニティ・ソフトウェア(U)の株価は、同社が2月22日発表した第4四半期決算と見通しがウォール街を失望させ、ある強気派のアナリストが目標株価を引き下げたことで23日に14.74%暴落し32.27ドルで取引されています。
第4四半期の売上高は4億5100万ドルで、アナリストのコンセンサス予想の4億3790万ドルを上回りましたが、1株当たりで82 セントの純損失を計上し、コンセンサス予想の1株あたり 42 セントの純損失を大きく下回りました。
第1四半期については、売上高4億7,000万ドル〜4億8,000万ドルの見通しを示し、コンセンサス予想の5億2,050万ドルをこちらも大きく下回りました。通期については、20億5,000万ドル〜22億ドルの売上を見込んでいます。
オッペンハイマーのアナリスト、マーティン・ヤン氏は決算発表後、格付けを「アウトパフォーム」から「パフォーム」に引き下げ、目標株価も28ドルに引き下げています。
「我々は、Uがモバイルゲームで主導的な地位を占め、非ゲーム分野へのリアルタイム3Dコンテンツの普及が確実であることに長期的な強気を維持している」と書きつつも、「しかし、Uの現在の株価に反映されているものよりも建設的な見方をするためには、視界が欠けている 」と格下げに至った理由をあげています。
ヤン氏は、同社がゲーム内広告市場について、短期的および2023年について慎重な見通しを示したことに言及し、「2023年のガイダンスについては、ゲーム内広告市場に関する経営陣の保守的な想定と、クリエイトの主要な成長要因(プライシングアクション)により、緩やかな上昇の可能性があるが、この可能性は適切に織り込まれていると見ている」と書いています。
D.A.デビッドソンのアナリスト、フランコ・グランダ氏は、より明るい見方を示しています。同氏はユニティ株の目標株価を35ドルから45ドルに引き上げ、「買い」のレーティングを維持しました。
同社が11月に行ったソフトウェアグループ ironSourceの買収がすでに実を結んでいると主張し、マクロ経済への懸念はあるものの、値上げと株高がユニティの成長を後押しすると同氏は考えています。
ウェドブッシュのアナリスト、マイケル・パクター氏は23日付けの顧客向けメモで、目標株価45ドル、「アウトパフォーム」の格付けを維持しました。
ユニティの見通しは、第1四半期は厳しいものの、その後、2023年の残りの期間は売上とマージンが成長することを示唆していると同氏は考えており、「長期的には、ユニティはゲームやゲーム以外の特定の産業における主要なリアルタイム3Dコンテンツプロバイダーとなるのに十分な位置にあると見ている」と書いています。
*過去記事「ユニティ 第3四半期決算発表後に30%近く上昇」