ビックテック決算ウィークで注目される5つのポイント

10月24日から始まる今週の米国市場は、大手ハイテク企業の決算発表が目白押しとなります。

アルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)、アップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)といったところのほか、インテル(INTC)、SAP、ショッピファイ(SHOP)、スポティファイ(SPOT)、シーゲイト・テクノロジー・ホールディングス(STX)、シーゲイト、サービスナウ(NOW)、コーニング(GLW)といった企業が10月25日から27日の3日間に決算を発表する予定で、S&P500種構成企業の時価総額の少なくとも25%を占める企業がこの期間に決算を発表することになります。

ハイテクセクターは、ドル高、個人消費の低迷、金利上昇、頑強なインフレ、そして景気後退の可能性など、激しい逆風にさらされ続けています。このセクターが今後どうなって行くのか、その方向性を示すものとして、ビックテック決算ウィークでは、以下の5つのポイントが注目されます。

不況はクラウドコンピューティングを減速させるか?

アマゾン、マイクロソフト、アルファベットはそれぞれ、Amazon Web Service、Azure、Google Cloudという強力なクラウドサービスを提供しているパブリッククラウドの3強です。

前期、6月期も3社は力強い成長を示しましたが、それでもその前の3月期と比べると減速していました。パブリッククラウドでは、光熱費のような消費型のビジネスモデルが採用されており、コンピューティングリソースを使えば使うほど料金が高くなります。

経済が厳しくなればなるほど、ビジネスが弱体化している顧客はこれまでほどコンピューティングパワーを必要としなくなるかもしれません。ウォール街のコンセンサス予想では、クラウド大手3社の今四半期の成長率はさらに低下すると見られています。

オンライン広告の見通しはどの程度悪いのか?

不況になると、広告費は減少します。広告費の3分の2は現在デジタルチャネルに費やされており、広告をサポートするハイテク企業、特にGoogleとYouTubeを所有するアルファベットと、FacebookとInstagramを有するメタ・プラットフォームズにはこの影響を受ける大きなリスクがあります。

オンライン広告における競争は激しくなっています。アマゾンとアップルが広告の世界でも着実にその地位を固めつつありますし、広告付き視聴プランを導入したネットフリックス(NFLX)、ディズニー(DIS)も参入、ウーバー・テクノロジーズ(UBER)、リフト(LYFT)といった企業も広告ビジネスを構築しており、オンライン広告費の動向の影響を受けるようになっています。

PCの需要はいつ回復するのか?

パソコンの需要が急落しています。ガートナーの報告によると、第3四半期のPC出荷台数は19.5%減で、過去最大の落ち込みとなり、4四半期連続の減少となりました。今週の決算発表で、マイクロソフト、インテル、アップルの3社から、PC市場の今後について新たな情報を得ることができそうです。

ホリデーショッピング・シーズンは失敗に終わるのか?

アドビは、年末商戦のオンライン支出は2.5%増にとどまり、過去最小の伸び率になると予測しています。

アマゾンの株価は、同社の主力であるオンライン小売部門の低迷により今年に入ってから30%あまり下落しています。ウォール街は、9月期は9%増、ホリデー期は8%増と回復する見込んでいますが、それは楽観的すぎるかもしれません。アナリストは、同社の最近の2日間のセールイベントが不発に終わったと考えています。

ショッピファイの決算もまた、オンライン・ショッピングの現状とホリデーシーズンの見通しについて、さらなる情報を提供してくれるはずです。

企業のIT予算は縮小するのか?

IBMのCEOであるアルビンド・クリシュナ氏は先週、米国とアジアでは好調を維持しているものの、西ヨーロッパの顧客はより慎重になっているとの見方を示しています。コンシューマー市場への露出がわずかなデルでは、PCの売上が急減しており、企業のIT予算の引き締めを示唆しています。

クリシュナ氏は、テクノロジーは生産性を高める傾向があり、労働やサプライチェーンに対するインフレ圧力を相殺する力を持っているとして不況にも強いことを主張していますが、実際はどうなのか。マイクロソフトとSAPの両社の決算は、IT支出の行方を占う手がかりを与えてくれそうです。

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