アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は10月6日、同社のチップを使用するパソコンの需要が予想より弱いとして、足元の第3四半期の売上見通しを下方修正しました。
同社は第3四半期の売上見通しを65億ドル〜69億ドルと予想していましたが、パソコン需要の悪化を理由に56億ドル程度になると予想を引き下げました。
第3四半期の売上高は、前年同期比では29%増であるものの、前四半期比では15%減になる見込みとのことです。
AMDのリサ・スーCEOはプレスリリースの中で、「当四半期はPC市場が大幅に弱含みとなった」と述べ「当社の製品ポートフォリオは依然として非常に強力ですが、マクロ経済情勢によりPC需要が予想を下回り、PCサプライチェーン全体で大幅な在庫調整が行われました」と説明しています。
PCの出荷台数は、PCやスマートフォンを含む電子機器への個人消費の鈍化により、ここ数年で最も急激な減少に見舞われています。
データ分析会社IDCは先月、世界のPC出荷台数は今年12.8%減少し、タブレット端末の出荷台数は6.8%減少すると発表しました。IDCは「消費者需要が減速し、教育需要がほぼ満たされ、マクロ経済状況の悪化により企業需要が減るため、2023年にはさらなる縮小も予想される」と述べています。
ただ、PC市場の低迷にもかかわらず、AMDによると、データセンターとビデオゲーマーにチップを供給する部門は好調を維持しているそうです。データセンター事業の第3四半期の売上は、前年同期比45%増の約16億ドル、ゲーム事業の売上は14%増の16億ドルで見込みどおりになると予想されています。AMDは11月1日に第3四半期の決算を発表する予定です。
この下方修正の発表を受け、AMDの株価は10月6日のアフターマーケットで4.47%安の64.82ドルとなっています。
*過去記事はこちら「AMD」