データドッグ クラウド関連市場をリードし続ける高成長企業

データドッグ(DDOG)は、クラウドを利用して企業をよりスマートにする企業です。その絶え間なく拡大するプラットフォームは、企業の情報システム部門がクラウドサービスを監視するための監視・分析ツールを提供し、顧客の数を増やしています。

デジタル変革の推進により、ウェブトラフィック、データセンター、クラウドコンピューティングに依存する企業がかつてないほど増えています。これらのテクノロジーは最近のビジネス成長にとって重要な要素となっており、保守や不具合によってコンピューターシステムやネットワークサービスなどが停止するダウンタイムが発生すると大きなコストがかかります。

データドッグの Software-as-a-Service (SaaS)プラットフォームは、重要なシステムを監視し、ダウンタイムにつながる可能性のある問題をユーザーに通知します。さらに、問題の再発を防ぐために、問題を診断するフィードバックと分析を提供します。

企業がデータドッグのプラットフォームにますます頼るようになっていることは8月4日に発表された第2四半期決算でも明らかでした。「データドッグ 業績予想を上回るもガイダンスが保守的との見方から株価は下落

6月までの3ヶ月間の売上は74%増の4億600万ドルでした。これは、過去3回の四半期決算でデータドッグが計上していた前年同期比75%〜84%の増加という数字と比べると低い方ですが、2021年第2四半期に計上した67%の売上高の増加からはステップアップしています。成長率が少し落ちたといっても、データドックは引き続き、過去12ヶ月間の売上高が10億ドル以上という急成長しているハイテク企業の1つです。

同社が高く評価されているのは、エンゲージメントが桁外れに優れていることです。同社のドルベースのネット・リテンション・レートは、20四半期連続で130%以上となっています。これは、既存顧客が1年前と比較して、少なくとも平均30%以上、このプラットフォームへの支出を増やしていることを意味します。

この数字が物語っているように顧客のデータドッグへの依存度は高まっており、モジュールの追加も増えています。データドッグのモジュールを4つ以上使用している顧客の割合は、過去1年間で28%から37%に増加しました。

また、データドッグは、大口顧客から最大の支持を得ています。年間100万ドル以上をこのプラットフォームに費やしている顧客は、昨年、2倍以上に増加しました。データドッグの年間売上が10万ドル以上の顧客数は、過去4四半期で54%増加し、2,420社になりました。これはデータドッグの全顧客数21,200社の11%に過ぎませんが、現在では売上構成の85%を占めており、1年前の80%から上昇しています。

このようにデータドッグの業績は順調に推移していますが、株価は昨年11月につけた最高値から40%以上も下落しています。より妥当な水準になったと評価する声もありますが、現在の株価でも将来利益の26倍であり、わずかな利益しかあげていない現状を考えると、まだ高過ぎると言われても仕方のない水準です。

経済が不安定になる兆しを見せている中、データドックも世界的な景気後退の影響を受ける可能性があります。クラウドモニタリングやセキュリティサービスは不況に強いため、企業はデータドッグのツールへの支出を控える前に他の分野を削減すると思われますが、それでも、より深刻な財政難に陥った場合、一部の企業が支出を減らすことは考えられます。

経営陣は、アナリストとの直近の四半期電話会議で保守的なガイダンスを発表し、上記のような影響を受ける可能性を認めています。株式市場はガイダンスが保守的であったことへの失望から発表直後にデータドッグの株価は下落しました。

しかし、保守的であったとしてもガイダンスが下方修正されたわけではありません。第3四半期のガイダンスはアナリストのコンセサス予想を下回ってしまいましたが、通期のガイダンスは引き上げられています。売上高が16億1000万ドル〜16億3000万ドル、非GAAPベースの利益は1株当たり74セント〜81セントという数字が示され、前回の16億ドル〜16億2000万ドル、1株当たり70セント〜77セントのガイダンスが上方修正されました。

見通しを下方修正したり、ガイダンスそのものを出すのを取りやめたりする企業が多い現在の経済環境のなか、保守的であってもこれまでの実績を上回る予想を発表するデータドックの底力の強さは特筆に値するものです。

これまでのようなペースでの成長がずっと続くことは難しいかもしれません。経済環境の悪化とともに減速を余儀なくされることは仕方ありません。それでもその程度は他の成長株と比べると緩やかなものになると予想されます。

どのような状況であってもデータドッグはマージンの拡大とともに持続的な高成長を実現する力を持っており、それを実現していくことで今の高いバリュエーションに見合う会社であることを証明すると思われます。

データドッグの強力なプラットフォームと魅力的なエンゲージメントレベルがそれを可能とするはずであり、そのことは、決算発表の下落のあと、株価は次第に上昇に転じ、現在は10%近く値上がりしていることが示すように市場も理解しはじめているようです。

クラウドベースのサービスを提供し続け、そのアドレス可能な市場を拡大し続けているデータドッグは経済情勢の影響を比較的受けない成長株として非常に魅力的な存在です。

*過去記事はこちら データドッグ DDOG

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