7月に買いたい高利回りハイテク株3つ

最近では、半導体セクターが、高配当と成長の両方を実現できるハイテク分野の1つとなっています。このセクターは循環的であることが知られていますがが、過去10年間、半導体株を買って保有した投資家は、平均してかなり良い成績を収めています。

最近の株式市場の低迷により、多くの半導体銘柄が打撃を受けましたが、長期的には半導体製品の需要は伸びると考えられます。高い利回りと割安なバリュエーションで、現在特に魅力的に見える銘柄をモトリーフールがピックアップしていますので、ご紹介します。

ブロードコム(AVGO)

半導体メーカーのブロードコムは、製造する半導体の種類が多様なだけでなく、売上とキャッシュフローが安定しているソフトウェアへの多角化も進めています。実際、同社は、ネットワーク仮想化とマルチクラウド コンピューティングを専門とするソフトウェア大手 VMウェア (VMW )の現金および株式による 610 億ドル規模の買収を発表したばかりです。

この買収により、ブロードコムのソフトウェア事業は実質的にプロフォーマベースの売上の約50% を占めるようになるため、この買収が成功すれば、ブロードコム はもはや純粋な半導体銘柄とは言えなくなります。

ブロードコムの現在の半導体事業は、非常に利益率が高く、キャッシュを生み出すものです。前四半期は、半導体ポートフォリオが 29% 増、ソフトウェア ポートフォリオが 5% 増となり、売上は 23% 増加し、フリー キャッシュ フローは 20.8% 増加して 41 億 6000 万ドルに達しました。このフリー キャッシュ フローは、同社の 3.4% という高額の配当金を 2 倍以上カバーするのに十分なものでした。

ブロードコム がこれほど大規模な買収を行うことを心配する人もいるかもしれませが、同社は買収によって現在のような高収益企業に成長しました。CEOのホック・タン氏はプライベート エクイティ的な発想で、カテゴリー リーダーの企業を買収し、コストを削減しながら ブロードコムの大規模な企業組織に各事業を組み込んでいます。

ブロードコムの半導体は現在、データ センター ・ネットワーキング、エンタープライズ ・ストレージ ・コントローラ、自動車および産業用アプリケーションなど、幅広いアプリケーションに対応しており、現在、厳しい経済状況の中でも強さを見せています。

ブロードコムは、将来予想利益のわずか 12.5 倍で取引されており、さらにソフトウェアによってポートフォリオを多様化しているため、厳しい年を乗り切るためのディフェンシブな高利回り銘柄と言えそうです。

*過去記事「4月に買いたい高利回りハイテク株3つ

テキサス・インスツルメンツ(TXN)

3%の高利回りでディフェンシブな半導体銘柄としては、テキサス・インスツルメンツも挙げられます。アナログと組み込みチップの分野で最大手のテキサス・インスツルメンツは、資本配分と一株当たりのフリーキャッシュフローに焦点を当て、1930年から存続と繁栄を続けてきました。

その絶え間ない努力が、今日、同社が売上の50%を超える膨大な営業利益率を享受し、拡大投資を可能にする一方、配当と自社株買いによって株主に報いている理由です。

近い将来、民生用電子機器の売上が減少することは間違いありませんが、テキサス・インスツルメンツは、半導体市場の中で最も成長率の高い、自動車用と産業用半導体に注力してその主要企業となっており、現在の半導体不足問題の一部は、テキサス・インスツルメンツに起因している可能性が高いと思われます。

同社は2022年後半に新しい製造工場を稼働させ、2023年前半にもう1つ工場を稼働させる予定です。そのため、売上は前四半期の14%の成長率を超えて成長することができると見られます。

経営陣は、直近の四半期は前四半期比で減少すると予想していますが、これは主に中国でのパンデミックによるロックダウンのためです。来年には新しい生産能力が増強されるため、成長は再び軌道に乗るはずです。また、テキサス・インスツルメンツは2004年以来、年率25%の増配を行っており、昨年末の13%の増配を含め、2022年後半にも2桁の増配を見込んでいます。

*過去記事「配当収入が魅力のハイテク株3つ

シーゲイト・テクノロジー・ホールディングス(STX)

ハードディスク・ドライブのメーカーであるシーゲイトは、投資家を興奮させるような面は欠けていますが、3.8%の利回りと9.3%の株価収益率(PER)は魅力的です。

ハードディスク・テクノロジーは、新しいNANDフラッシュ・ストレージ・テクノロジーに明らかにシェアを奪われているものの、不揮発性ストレージのフォーマットとしては依然として最も低コストなものです。

これは特にクラウド・データ・センターにおいて顕著で、クラウド・インフラ・プレーヤーは増え続けるデータを保存するために大量のハードディスクを購入しています。シーゲイトの場合、「大容量」エクサバイト数は前四半期に20%増加し、「大容量」ドライブは現在、シーゲイトの売上の73%を占めています。

シーゲイトの売上は、他の半導体企業ほど速く成長しないかもしれませんが、ここ数年、驚くほど安定した収益を上げており、安定した配当と大量の自社株買いを可能にしています。

それは、シーゲイトがハードディスク製造の真の寡占状態で事業を展開しており、全世界に供給している大手プレーヤーは他に2社だけだからです。2019年の過酷な不況下でも、シーゲイトの売上高は7%未満、営業利益は9%の減少にとどまり、その後成長を再開しています。

株価は今年に入って26%下落していますが、クラウドが長期的に成長し、より多くのデータの保存と分析が必要となり、ハードディスクがバルクストレージ分野でその地位を占め続けると考えるなら、シーゲイトを保有することは、不確実な時代において安定した配当を得るための賢明な選択であると考えられます。

*過去記事「4月に買いたい高利回りハイテク株3つ

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