フェイスブックの親会社であるメタ・プラットフォームズ(FB)が4月27日に行った第1四半期決算の内容を受けて28日朝の時間外取引で株価が16%を超える急騰を見せています。
フェイスブックのデイリーアクティブユーザーが19億6,000万人となってアナリストの予想を上回り、12月期の小幅な減少から状況が一変しました。
第1四半期の純利益は1株当たり2.72ドルで、予想の2.56ドルを上回りました。売上高は7%増加し、279億ドルとなっています。
6月までの今の四半期の売上の見通しは280億ドルから300億ドルとなり、これまでのウォール街のコンセンサス予想である307億ドルを下回る見込みです。メタは、売上見通しが弱くなった責任の一端をウクライナ戦争にあるとしています。同社はロシアで加入者を失い、サービスが停止しています。
メタは、この見通しについて、「ウクライナ戦争と重なった第1四半期後半の軟調さを含め、第1四半期の売上成長に影響を与えた傾向の継続を反映している」と述べています。
同社は、通期の支出ガイダンスを870億ドルから920億ドルと前回予想した900億ドルから950億ドルのガイダンスから引き下げました。
ジャスティン・パターソン氏率いるキーバンクのアナリストは、4月28日朝のリサーチノートで、営業費用のガイダンスの引下げのことを指摘しています。キーバンクはまた、マーク・ザッカーバーグCEOが長期的な利益成長を促進するためのコミットメントを強調している点にも注目しています。
キーバンクのアナリストは、「今回の行動と声明を合わせて、経営陣が投資レベルを事業の健全性とマクロに照らして慎重に判断していることの表れと見ている」と述べています。そして、「さらなる経費抑制と自社株買い」を理由に、2022年の一株当たり利益予想を3%引き上げました。
キーバンクは決算発表後、同株式を「オーバーウェイト」と評価し、目標株価を280ドルに据え置いています。
RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ブラッド・エリクソン氏も、営業費用の削減計画が時間外での株価上昇の原動力となったことを指摘しています。同銘柄を「アウトパフォーム」、目標株価240ドルと評価するRBCは、メタの売上高とEBITDAの予想を少し引き下げています。
エリクソン氏はリサーチノートで、「FBの比類なきスケールとソーシャル同業他社に対するターゲティングは依然として競争で有利な立場にあり、アウトパフォームを維持するが、株価がより持続的に機能するためには、今後の様々な逆風に意味のある改善を示す必要がある」と書いています。
UBSは、メタ株の目標株価を300ドルから310ドルに引き上げ、下期の「ブルケースはここからよりきれいに見える」と述べています。UBSは同株式の「買い」のレーティングを維持しました。
メタはその決算報告において、アップルがiPhoneでの消費者行動の追跡をより厳しくしたため、広告のターゲティング能力が低下したことや、TikTokとの競争激化など、同社が直面している大きな課題が取り除かれたと言っているわけではありません。また、同社はメタバースに多額の投資を続けていますが、ザッカーバーグCEOは、その投資が意味のあるリターンを得るには何年もかかると認めています。
投資調査会社New ConstructsのCEOであるデビッド・トレーナー氏は、「市場は、メタバースビジネスがフェイスブックの中核的な広告ビジネスほどには利益を生まないだろうと言っている」と述べています。
「メタバースビジネスが30%以上の長期的な利益減少につながるリスクもあるし、もっと良くなる可能性もある。現段階では判断が難しい」と同氏は表現しています。
*過去記事はこちら メタ・プラットフォームズ FB