最近の市場の混乱は、投資家に優れた銘柄をより安い価格で購入するチャンスを与えています。長期的に保有することで大きな利益をもたらしてくれるナスダック銘柄をモトリーフールがピックアップしていますので、ご紹介します。
アマゾン(AMZN)
2021年第4四半期と2021年通年の業績で素晴らしい結果を残したにもかかわらず、ここのところのアマゾンの株価の動きはさえません。
2021年の売上高は4,698億ドル、純利益は334億ドルという驚異的な数字を叩き出し、売上高価格比(P/S)は3.3、売上高利益率(P/E)は47と、2009年以降で最も低いPERになっているにもかかわらずです(もちろん、アマゾンにしてはという意味ですが)。
アマゾンのビジネスで最も印象的なのは、同社のクラウドコンピューティング部門であるAmazon Web Services(AWS)です。AWSの売上高は622億ドル、営業利益は185億ドルで、営業利益率は30%です。
AWSは、アマゾンの2021年の売上高のわずか13%を占めるに過ぎませんが、営業利益の74%を占めています。つまり、AWSはアマゾンの他の投資に資金を提供するキャッシュカウとなっています。
さらに、利益率が低いものの、売上高は格段に大きいリテールビジネスは着実に成長しており、AWSと合わせて、市場の暴落にも耐えうるビジネス構造を作り上げています。
ナスダックの7大構成銘柄のうち、2019年から2021年末の間にナスダックをアンダーパフォームしたのはアマゾンだけです。今日の金利上昇環境で利益とバリューが重視されていることを考えると、2022年以降にアマゾンがナスダックを上回るパフォーマンスを見せても不思議ではありません。
*過去記事はこちら アマゾン AMZN
バーテックス・ファーマシューティカルズ(VRTX)
過去2、3年の間、投資家の医薬品銘柄への関心は、ほとんどがCOVID-19のワクチンや治療法に取り組む企業に限られていました。問題は、そのために、他の病気を治療するための薬の開発で飛躍的な進歩を遂げている企業が注目されなくなったことです。
バーテックス・ファーマシューティカルズは、こうした忘れられた企業のひとつです。同社は、嚢胞性線維症、筋ジストロフィー、糖尿病などの難治性疾患の治療に取り組んでいるにもかかわらず、株価は2020年の300ドル近辺のピークから、2021年10月には180ドル近辺の安値まで下落しました。
その後、市場はその過ちに気付いたようです。嚢胞性線維症治療薬Trikaftaの継続的な売上増加が主な要因ですが、腎臓病治療薬VX-147のミッドステージ試験の結果が良好だったこともあり、バーテックスの株価はその安値から約30%上昇しました。実際、Trikaftaの売上は、昨年の最終四半期には、前年同期比で50%以上増加しています。
しかし、パンデミックの最中に無視されていた同社の潜在能力を、株価はまだ十分に反映していません。昨年の1株当たり13.02ドルから、今年は14.21ドル、来年は15.22ドルと予想通りに利益が伸びた場合、2023年の予想利益の15.3倍でしか取引されていないことになります。
このようなバリュエーションで、実際の利益がこれほど早く増加する銘柄はあまり見られません。
*過去記事「今、買うべきバイオテック株3つ」
クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)
サイバー攻撃は、米国で最も急速に増加している犯罪のカテゴリーであり、デジタル侵害は企業や機関に大きなリスクをもたらします。
クラウドストライクは、クラウドベースのエンドポイント・サイバーセキュリティ・サービスの世界的なリーディング・プロバイダーであり、そのソフトウェアはネットワークの脆弱性を最小限に抑え、貴重なデータを保護するのに役立ちます。
クラウドストライクの株価は、年初来で19.5%、ピーク時から約43%下落していますが、サイバーセキュリティ業界のリーディングカンパニーである同社のサービスに対する長期的な需要の見通しは非常に高く、この成長ストーリーはまだ始まったばかりです。
コンピュータシステム、モバイル機器、サーバー、その他のハードウェアに存在する脆弱性を利用して、悪意ある者がネットワークにアクセスし、貴重な情報を盗み出したり、改ざんしたりして、巨額の金銭的・風評的損害を与えることがあります。
クラウドストライクのソフトウェア・プラットフォームは、人工知能を用いて脅威の検知、分析、対応行動を行い、攻撃に遭遇するたびに学習し、より優れた保護機能を提供するよう進化しています。
同社のプラットフォームに参加する顧客が増え、サイバーセキュリティ攻撃が増えれば増えるほど、ソフトウェアはより賢くなり、顧客に提供する価値も向上します。このように、同社は強力なネットワーク効果を発揮しており、長期的にカテゴリーリーダーであり続けることができます。
企業がデジタルトランスフォーメーションを推進し、ネットワークに接続されるデバイスが増え続ける中、高性能なエンドポイントプロテクションの重要性はますます高まっています。
クラウドストライクは、新規顧客の獲得と既存顧客への付加サービスの販売を継続することで、力強い成長を遂げることができると思われます。同社の株式は、忍耐強い投資家に、大きなリターンをもたらす可能性の高い魅力的なものとなっています。
*過去記事はこちら クラウドストライク CRWD