好決算を発表して俄然注目を集めているアップスタート(UPST)。共同創業者兼CEOのデイブ・ジルーアード氏はいろいろなメディアに登場してインタビューを受け、大忙しのようです。
Embed from Getty Images語っていることは、「アップスタート 第4四半期決算説明会におけるCEOあいさつ」でお伝えした内容の要約版のようなものですが、マーケットウォッチに掲載されたインタビュー記事のなかで、自社株買いと延滞率の上昇懸念について、より掘り下げた説明がされていましたので、ご紹介します。
自社株買いについて
人工知能は「歴史上最も重要な技術のひとつ」であり、アップスタートは「5,000年前からある融資の問題に人工知能を適用する最先端の企業」であるとインタビューで語ったジルーアード氏。
急速に成長しているフィンテック企業としてはやや意外な動きと見られる、最大4億ドルの自社株買いを取締役会から承認されたことをアップスタートが発表したのは、AIを活用した融資の可能性に対するこのような明るい見方を持ち、魅力的な長期的機会があると考えているにもかかわらず、10月の最高値から64%も下落した最近の株価の変動を理由のひとつに挙げています。
「当社はかなりの利益を上げているので、いつでも資本の最適な使用方法を決定できる余裕があります」と同氏は述べています。
今回の承認は、アップスタートが最終的に4億ドルの自社株買いを行うことを保証するものではありませんが、同氏は、「市場が当社の行っていることを評価していない場合、適切な価格で自社株買いを行うことは意味がある」と語りました。
また、他のフィンテック企業が損益分岐点に到達するために「現金を使い切っている」と同氏が見ている中で、この動きは「当社が収益性の高いビジネスであることを示すもの」でもあるとも述べています。
アップスタートの直近の四半期の純利益は5,900万ドルで、前年同期の100万ドルから増加しています。
延滞率上昇の懸念について
どこから見ても欠点がないとも評される決算を発表したアップスタートですが、全く不安がないわけではなく、ローンの延滞率が今後上昇するのではと懸念する声が一部からあがっています。
この点について、アップスタートは事業に大きな悪影響を及ぼすことはないと考えています。
最高財務責任者(CFO)のサンジェイ・ダッタ氏は、決算説明会で、債務不履行は「1年以上にわたって不自然に抑制された水準」にあったものの、パンデミックによる刺激策の効果が薄れたことで、トレンドは正常化し始めていると述べました。
「当社とパートナー企業はこの変化を予測しており、当社のプラットフォーム上のローンはそれに応じて価格設定されているため、デフォルトの増加が当社のボリュームや経済性に大きな悪影響を及ぼすことはないと考えています」と同氏は述べています。
しかし、ウェドブッシュのデビッド・キアベリーニ氏は、延滞率の上昇がアップスタートの成長の妨げになっていないことを認めながらも、「今後数ヶ月の間に延滞率の悪化した軌道が正常化しない場合、同社の資金調達プロファイルに懸念を抱くことになる」と書いています。
ジルーアードCEOは、同社のAIアプローチにより、経済的ストレスの時代にも競合他社よりも持ちこたえることができると楽観的に考えています。
「突然、失業率が大幅に上昇した場合、どんなシステムでも損害率が上昇することが予想されます。しかし、AIはそれをはるかに巧みに処理することができます」と述べ、AIシステムが “レスポンシブ “であることを指摘しています。
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