アルファベット(GOOGL)は、2月1日の決算発表で、1対20の株式分割を行うことを発表しました。これは、7月15日に株主が7月1日の基準日に所有している株式1株につき19株を追加で受け取ることを意味します。
また、1株あたりの価格が20で割られることを意味し、2月10日の終値である2,752ドルで分割が行われると価格は138ドルになります。
なお、会社の市場価値には何も起こらず、2兆ドル弱のままです。つまり、各株主が所有するアルファベットの株式の価値は変わりません。分割されると株式数が増えるため、株価だけが下がることになります。
これは個人投資家が、より多くの株式を購入できるようにするためのアイデアです。理論上は株式を分割しても株式数が増えて額面が変わるだけで、売上や利益の面では何の意味もありません。
バンク・オブ・アメリカは、他の企業が株式分割を行うことを期待しています。というのも、株価500ドル以上のS&P500銘柄の時価総額は6兆ドルを超えており、S&P500全体の約17%を占めているからです。
考え方としては、絶対的な株価を下げれば、投資家の関心が高まる企業がたくさんあるということです。そして、アルファベットの発表は、他の企業が行動を起こすきっかけになったかもしれません。
同社の「最近の20対1の発表は、他の企業の注目を集め、波紋を呼ぶかもしれない」と、バンク・オブ・アメリカの投資・上場ファンドストラテジスト、Jared Woodard氏は書いています。
同氏が正しければ、これらの銘柄の業績は好調で、S&P500も上昇する可能性があります。歴史的に見ても、株式分割を発表した企業の株価は、その後の3カ月間で平均7.8%上昇し、S&P500の2.1%の上昇率を上回っています。
発表から1年後の株価は25%上昇し、S&P500の9%を上回っています。このように、S&P 500に占める割合が高い銘柄が大きく上昇すれば、S&P 500の上昇につながることは間違いありません。
バンク・オブ・アメリカの考え方に当てはめると、株式分割の候補として次のような銘柄が挙げられます(株価は2月10日終値)。
- アマゾン・ドット・コム(AMZN)3,180ドル
- ブッキング・ホールディングス(BKNG)2,628ドル
- チポテル・メキシカン・グリル(CMG)1,578ドル
- MSCI(MSCI)545ドル
- ブラックロック(BLK)785ドル
*過去記事「エヌビディアなど株式分割の増加で論議」