2月2日に発表されたメタ・プラットフォームズ(FB)の第4四半期決算が投資家に衝撃を与えています。*「メタ 予想を下回る減益決算で20%超下落」
特に衝撃だったのは、3月期の収益成長率が3%と低くなる可能性があると発表したこと。この予測は、メタの成長見通しだけでなく、広範なオンライン広告業界や消費者行動の変化についても疑問を投げかけています。
メタは、同社の主要サービスの利用率の低下、好調だった前年同期との厳しい売上比較、インフレやサプライチェーンの問題を抱える広告主による支出の減少など、本業で深刻な問題を抱えているようです。また、アップルの携帯電話向けソフトウェア「iOS」におけるプライバシーに関する変更が引き続き影響を及ぼすことについても警告を発しました。
発表を受けてメタの株価は時間外取引で20%以上下落しましたが、他のソーシャルメディア関連銘柄も引きずられ、スナップ(SNAP)は18%、ピンタレスト(PINS)は10%、ツイッター(TWTR)は8%下落しました。
その他の広告依存銘柄も下落しており、トレードデスク(TTD)は10%減、ロク(ROKU)は4%減、アマゾン(AMZN)3.5%減となっています。一方、日中の取引でで7.5%上昇していたアルファベット(GOOG/GOOGL)は、わずか2%の下落にとどまっています。
メタのガイダンスで問題視されているのが、第1四半期の広告インプレッション数と価格設定の両方に「逆風」が吹くことで業績が影響を受けると述べていることです。
特にインプレッション数の問題は最大の衝撃です。つまりこれは、人々がメタのプラットフォーム(フェイスブック、ワッツアップ、インスタグラム、メッセンジャーなど)で過ごす時間が短くなっていることを意味します。
「インプレッション数の面では、人々の時間をめぐる競争の激化と、アプリ内のエンゲージメントがリールなどの動画コンテンツにシフトしていることによる逆風が続くと予想していますが、フィードやストーリーズよりも低い収益率となっています」と同社は決算発表のプレスリリースで述べています。
この説明によると、これはフェイスブックの自業自得の部分もあるようです。フェイスブックが動画プラットフォームに進出したのは、バイトダンスが所有するTikTokの出現に対応するためでした。
もうひとつの問題は、人々は、フェイスブックやインスタのページを見る以外のことに、より多くの時間を費やしているように思えることです。
これは、2年間の厳しいパンデミック規制の後、人々が単に家の外で過ごす時間が増えたことを反映しているのかもしれません。あるいは、それに加えて、人々がソーシャルメディアに少し飽きてきて、単にプラットフォームの使用を減らしていることを示唆しているのかもしれません。
広告の価格については、メタがいくつかの関連する問題を提起しました。その1つは、iOSデバイス上のアプリやウェブサイトで消費者の行動を追跡することを広告主に許可するという、アップルの厳しい基準のタイミングです。
1年前にはこの変更はまだ実施されていなかったため、第1四半期の成長率にはまだその影響が現れていると考えられます。メタは、「プラットフォームや規制の変更による広告ターゲティングおよび測定の逆風がやや強まると予想しています」と述べています。
また、メタは、第1四半期は「強い需要」のあった前年同期と比較されることになるとし、「コストの上昇やサプライチェーンの混乱など、マクロ経済の課題が広告主の予算に影響を与えていると、広告主から聞いている」と述べています。そして最後に、第1四半期は為替によるマイナスの影響を見込んでいます。
しかし、わずか24時間前に、グーグルの親会社であるアルファベット(GOOGL)が予想を上回る業績を発表し、同社の株価が急上昇したことを考えると、今回のメタの決算発表は少し驚きであり、整理するのが困難です。
アルファベットのCEOであるサンダール・ピチャイ氏は、2月1日の声明で、同社の広告事業が「継続的な力強い成長」を遂げ、「何百万ものビジネスの繁栄と新規顧客の開拓」に貢献していると述べました。
また、メタがリールの収益性の低下に不満を抱いている一方で、アルファベットはYouTubeの収益が急成長しています。
今回の決算発表の内容を受け、市場には2つの疑問が生じているようです。
消費者は、一般的にソーシャルメディアの利用を減らしているのか、それともメタのプラットフォームだけがそうなのか。
また、広告主は実際に支出を削減しているのか、それとも、アップルが現在防ごうとしているユーザーターゲティングに歴史的に依存してきたフェイスブックのようなプラットフォームからドルをシフトしているだけなのか。
ウォールストリートは、これからその答えを探すことなります。