今こそIBM株を買うべきか?

  • 2021年12月27日
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IBM(IBM)は最近、数年にわたる自己改革の重要なマイルストーンを達成しました。11月にIBMは、レガシービジネスの一部をキンドリル・ホールディングス(KD)という新しい上場企業にスピンオフすることを完了しました。

IBMは、クラウド・コンピューティングと人工知能技術を中心とした事業に集中するために、このような動きをしました。

分社化が完了した今、IBMへの投資は良いタイミングなのでしょうか?この質問に答えるためには、キンドリルを失ったことがIBMにどのような影響を与えるのか、そして残った事業からなる新生IBMが長期的に投資する価値があるのかを理解する必要があります。

キンドリルはITインフラサービスを提供しており、4,000社の顧客基盤を持ち、IBMの売上のかなりの部分を占めていました。

2021年の最初の3四半期に、IBMは541億ドルの売上を報告しました。そのうち、キンドリルは141億ドルを占めています。しかし、キンドリルはIBMにかなりの売上を貢献している一方で、売上の伸びを阻害してもいます。今年のキンドリルの売上141億ドルは、2020年の144億ドルからは低下しています。

確立されたビジネスであるにもかかわらず、キンドリルは利益を上げていません。3四半期までの2021年の純損失は、前年の13億ドルから16億ドルに増加しました。一方、IBMの同期間における2021年の純利益は34億ドルでした。

衰退していたキンドル事業が切り離されたことで、投資家にはIBMの最も魅力的な側面が残されています。IBMのクラウド・コンピューティング事業は、着実に売上を伸ばしています。過去12カ月間で、同社のクラウド全体の売上は前年同期比で14%増加しました。

そのクラウドおよびコグニティブ・ソフトウェア部門は、ポスト・キンドリルのIBMのビジネスの中心を担っており、第3四半期の売上は前年同期比2.5%増の57億ドルとなりました。この部門の年間累計売上は172億ドルに達し、2020年の165億ドルから増加しました。

今年の売上の伸びは、決して偶然ではありません。クラウド&コグニティブ・ソフトウェア部門は、複数年にわたって一貫して売上を伸ばしています。

2018年 22億ドル
2019年 229億ドル
2020年 234億ドル

IBMの成功は、クラウドとコグニティブ・ソフトウェア部門に限ったものではありません。同社のグローバル・ビジネスサービス部門は、第3四半期に44億ドル売上が増え、前年同期比で11.6%の増加となりました。

グローバル・ビジネスサービス部門には、IBMのコンサルティング部門が含まれており、顧客のクラウドソリューションの導入を支援したことで、第3四半期の売上は前年同期比で17%増加しました。

CFOのJames Kavanaugh氏によると、グローバル・ビジネスサービス部門は、クラウドおよびコグニティブ・ソフトウェア部門と合わせて、キンドリル社分離後のIBMの売上プロファイルの70%以上を占めています。

キンドリルのスピンオフまで株式の購入を待っていた投資家は、高利回りの配当金というもう一つのメリットを享受できます。現在、IBMは5%以上の配当利回りを提供していますが、キンドリルは現在無配当です。IBMは1916年以来、一貫して配当を行っています。

IBMの配当は、フリーキャッシュフローを生み出す能力によって支えられています。同社は10年以上にわたり、毎年100億ドル以上のフリーキャッシュフローを生み出しています。

キンドリルをスピンオフしたことで売上が失われたにもかかわらず、IBMはフリーキャッシュフローを生み出す能力の大部分を維持しています。例えば、2020年にIBMは108億ドルのフリーキャッシュフローを生み出しています。キンドリルの分を除くと、IBMはそのフリーキャッシュフローのうち約100億ドルを維持することになります。

2022年以降、IBMはフリーキャッシュフローの一桁台の高成長を2024年まで継続し、累積で約350億ドルになると予想しています。この成長は、2024年まで毎年約30億ドルの売上増加が見込まれることによるものです。

キンドリルの分離後、IBM社は投資家にとって魅力的な銘柄となっています。確かに、同社はクラウド・コンピューティングの分野ですぐに大きなライバルを追い越すことはできません。しかし、IBMは、ハイブリッド・クラウド戦略によって、クラウド・コンピューティングのパイを自ら切り開くことに成功しています。

ハイブリッド・クラウドのアプローチは、金融サービス分野をはじめとする特定の業界にとって特に魅力的なものです。アマゾンが提供するような低コストのパブリック・クラウドソリューションと、銀行のように規制遵守と機密データ保護のための追加セキュリティを必要とするプライベート・クラウドビジネスを組み合わせたものです。

IBMのクラウド・ソリューションの売上成長の実績は、同社の製品が顧客を獲得していることを示しています。今後数年間の売上成長が見込まれること、フリーキャッシュフローを安定的に生み出すことができること、そして高額な配当金があることを考えれば、IBMは投資する価値のある株式と言えるかと思います。

*過去記事はこちら IBM

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