前日、四半期決算を発表したIBMの株価が10月21日、対前日比9.56%減の128.33ドルと大きく下落しました。
第3四半期の業績は、売上高は低調だったものの、ほぼストリートの予想通りでした。売上高が176億ドル(0.3%増)となり、ウォールストリートのアナリストによるコンセンサス予想の178億ドルを若干下回りました。為替と売却した事業を調整した収益は0.2%増でした。
IBMの発表によると、売上高は、キンドリルを除くと2.5%増、為替と売却した事業の調整後では1.9%増でした。非GAAPベースの利益は1株当たり2.52ドルで、コンセンサス予想を2ペニー上回りました。同社は、11月3日に完了する予定のキリンドルとの取引を調整した場合の当四半期の状況について、これ以上の詳細は明らかにしませんでした。
IBMのCFO(最高財務責任者)であるジム・カバノフ氏は、四半期の売上高が世間の予想に比べてわずかに不足しているのは、同社が2020年上半期にメインフレームの新製品サイクルを立ち上げる予定であるシステム事業における若干の軟調さと、同社が最近発表したキリンドルのスピンオフに関する詳細を前にした顧客のためらいを反映したものであると述べています。
同氏は、IBMが2022年に新たに構築されるインフラストラクチャ報告セグメント(メインフレームを含む)の成長を期待しているとのことです。
今回のスピンアウトの背景には、IBMを再び成長する企業にするという論理があります。このプロセスの一環として、同社はクラウド事業の構築を大々的に進めており、その点では一定の成果を上げています。同社によると、過去12ヶ月間のクラウドの総売上高は、14%増の278億ドルでした。
IBMは、グローバル・ビジネス・サービス部門の最新四半期の売上は、コンサルティングの17%成長とビジネス・プロセス・アウトソーシング事業の19%成長により、11.6%増の44億ドルとなり、43億ドルとするストリート・コンセンサスをわずかに上回りました。
クラウドおよびコグニティブ・ソフトウェアの売上高は、2.5%増の57億ドルで、コンセンサス予想の58億ドルをわずかに下回りました。これには、「クラウドおよびプラットフォーム」の10%成長、「コグニティブ・アプリケーション」の売上の横ばい、トランザクション処理の売上の9%減少などが含まれます。レッド・ハット事業の売上は17%増加しました。
グローバル・テクノロジー・サービスの売上高は、そのほとんどが今後キンドリルに振り分けられる予定で、4.8%減の62億ドルとなりました。カバノフCFOは、キリンドルの売上は主に、現在のグローバル・テクノロジー・サービスからの売上の約75%で構成されることになると述べました。
ハードウェアを含むシステム部門の売上は、11.9%減の11億ドル。グローバル・ファイナンシング部門の売上高は19.2%減の2億2,000万ドルでした。
IBM会長兼CEOのアルヴィンド・クリシュナ氏は、声明の中で次のように述べています。
「来月初めにキリンドルを分離することで、IBMはプラットフォーム中心のハイブリッド・クラウドおよびAI企業としての進化の次のステップを踏み出します。お客様により良いサービスを提供するために集中力と俊敏性を高めることで、一桁台半ばの売上成長と強力なフリーキャッシュフローの創出という中期的な目標を達成できると確信しています」