ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、最近の一連の注目記事の中で、フェイスブック(FB)が自社プラットフォーム上の有害なコンテンツを監視することが困難であることを強調しました。
この事実は、同社のサービスを定期的に利用している人にとっては、ほとんど驚きではありません。フェイスブックは、そのアプリ群全体で30億人近くのデイリーアクティブユーザーを抱えています。これらのユーザーが平均的な1日または1週間に投稿するコンテンツの量は、監視するためにとつてもない労力を要する莫大なものになっています。
これはフェイスブックの広告主にとっては大きな問題です。人気のある家庭用ブランドは、自社の製品や画像が有害なコンテンツの隣に表示されることを警戒しています。フェイスブックのネガティブな評判のために、広告主は、より有害性の少ない他のプラットフォームに移る可能性があります。
フェイスブックがコンテンツを効果的かつ公正に監視できないことは、継続的なリスクです。フェイスブックのポリシーが問題になるのは、今回が初めてではありません。昨年は、ヘイトスピーチの蔓延を懸念して、大手企業がフェイスブックのボイコットに参加しました。
このボイコットがピンタレスト(PINS)の追い風となりました。フェイスブックのボイコット期間中、ピンタレストは広告の売上を増やしました。
ピンタレストは、人々がインスピレーションを与えるコンテンツや新しいアイデアを探しているときに訪れる場所です。それは、頻繁に戦場となるフェイスブックとは全く対照的です。広告主はそこに魅力を感じたものと思われます。
フェイスブックのネガティブな評判の中で、ピンタレストが広告主を惹きつけているとしたら、それは同社にとっては絶好のタイミングで起こっている事象であると言えます。
フェイスブックとは異なり、ピンタレストはEBITベースではまだ利益を出しておらず、月間アクティブユーザー数が前四半期比で減少したことで株価も低迷しています。経済活動が再開され、人々が外で過ごす時間が増えるにつれ、ピンタレストを閲覧する機会が減っています。
ピンタレストの株価は、過去3カ月間で約30%の下落となり、売上高価格比は15程度と、年初に取引されていた売上高価格比32を50%以上下回っています。
それでも同社がフェイスブックに比べてプレミアム価格で取引されているのは、主に未開発の大きな成長の可能性を秘めているからです。
両社の成長段階の違いは、ユーザー1人当たりの平均売上高(ARPU)の違いによって見ることができます。フェイスブックのARPUは直近の四半期で10.12ドルだったのに対し、ピンタレストは1.32ドルと大きく引き離されています。
また、ピンタレストは、海外のユーザーを対象としたマネタイズの初期段階にあり、マーケターにとって魅力的なサイトにするための機能を追加しています。
このように現在は低迷しているものの、成長の可能性は十分に持つピンタレストにとって、敵失のような形で広告主がフェイスブックから移ってくることは、反転の絶好の機会です。
フェイスブックのトラブルから利益を得られる銘柄を探している投資家にとって、ピンタレストは有力な候補になりそうです。