半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)の株価は、CNBCがゴールドマン・サックスが米国の半導体株に強気であると報じたことで、9月22日の取引で前日比3.3%上昇しました。
ゴールドマンが強気なのにはデータの裏付けがあります。インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)はこのほど、半導体業界の今後2年間の見通しを発表しました。それによると、昨年は11%、今年は17%の成長を遂げた半導体の売上は、すぐには減速しそうにありません。
携帯電話、ノートブック、サーバー、自動車、スマートホーム機器、ゲーム、ウェアラブル、Wi-Fiアクセスなどは、すべて半導体が成長している市場であるとIDCは述べています。
そしてそれは、2022年も半導体メーカーの売上を押し上げる要因となると見られます。特に5G通信に関連した半導体の売上は、128%と爆発的に増加するとIDCは予測しています。
しかし、他の分野も負けてはいません。今回のレポートでは、以下の市場における半導体の売上が急増すると予測しています。
携帯電話 28.5%
ゲーム機 34%
自動車用アプリケーション 22.8%
ウェアラブル 21%
スマートホーム機器 20%
ノートPC 11.8%
では、半導体の供給不足の問題についてはどうでしょうか。
買い手にとっての良いニュースは、半導体不足が解消に向かっていることです。IDCは、2021年の第4四半期までは不足が緩和され続け、「2022年の半ばには業界が正常化してバランスが取れ、2022年末に向けて大規模な生産能力の拡大が始まるため、2023年には生産能力が過剰になる可能性がある」と予測しています。
投資家にとって、キャパシティオーバーは悪いニュースのように聞こえます。しかし、IDCは、「多くの市場における数量成長が、半導体市場の非常に良好な成長を引き続き牽引する」と予測しています。
基本的には、価格決定力が低下しても、エヌビディアのようなチップ企業は、数量で補うことができ、良好な成長を続けることができるとIDCは考えています。
最終的に2025年には、世界の半導体産業の年間売上高は6,000億ドルに達し、現在からの複合年間成長率は5.3%になるとIDCは見ています。